【主張】はやぶさ2の挑戦 ものづくりの信頼回復を

 

日本の宇宙・惑星探査史上、最もダイナミックな「荒事」だろう。

 

探査機「はやぶさ2」が、地球から3億キロ以上離れた小惑星「リュウグウ」に弾丸を打ち込み、人工クレーターの作製に挑んだ。

 

宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、衝突装置の分離、弾丸の発射、小惑星への衝突、はやぶさ2の機体の退避は、すべて順調に遂行されたという。

 

人工クレーターの確認と試料採取が楽しみだ。クレーターから採取される地下の物質は、太陽系初期の状態を保っている。

 

初代のはやぶさにはなかったミッションに挑戦し、太陽系の起源解明につながる新たな探査手法を確立したJAXAの開発、管制チームを大いにたたえたい。

 

はやぶさ2は5日午前、高度約500メートルまでリュウグウに接近し、衝突装置を分離、40分後に装置を爆発させた。その衝撃で銅の円板が弾丸状に変形してリュウグウに向けて発射され、秒速2キロで地表に衝突した。現場付近は岩石などが飛散し危険が大きいため、この間にはやぶさ2の機体はリュウグウの裏側に退避させた。

 

ミッションの全体像は非常にダイナミックだが、衝突装置には日本のものづくりの精緻な技術が結集されている。

 

衝突装置の分離後は制御できない。銅の円板が弾丸状に変形し、まっすぐリュウグウに向けて発射されるためには、爆発、銅板の材質、溶接など細部まで、高度の最適性と均質性が必要なのだ。それを実現させたのは、民間のものづくりの技術である。

 

日本のものづくりは、データ改竄(かいざん)などの不祥事が相次いで表面化し、「MADE IN JAPAN」が世界を席巻したころの信頼を失っている。

 

宇宙開発は科学技術の総合力の指標であり、日本は小惑星探査の技術で世界をリードしている。

 

はやぶさ2の挑戦は、町工場などの高度な技術に光をあてた。日本の製造業(ものづくり)が自信と信頼を取り戻す大きな契機になることを期待したい。

 

計画では、はやぶさ2は5月下旬にもクレーターに着地し、試料を採取する。今年末にはリュウグウを離れ、来年末に地球に帰還する予定だ。

 

どんな「玉手箱」を持ち帰ってくれるのか、待ち遠しい。

 

 

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