【主張】天皇誕生日 国民も心一つに歩みたい

 

 

天皇陛下は60歳、還暦の誕生日を迎えられた。心からお祝いを申し上げたい。

 

日本国および国民統合の象徴でいらっしゃる陛下のもとで国民は心を合わせ、令和の時代を築いていきたい。

 

ご即位後初めての誕生日である。中国・武漢発の新型コロナウイルスによる肺炎の拡大防止のため、一般参賀は残念ながら中止となったが、国民の慶賀の気持ちは変わらない。

 

陛下は、誕生日に先立つ記者会見で、新型肺炎の患者と家族らへお見舞いの言葉を述べ、早期収束を願われた。国民は、冷静かつ万全の対応をしたい。

 

ご即位からおよそ10カ月が過ぎた。陛下は「象徴としての私の道は始まってまだ間もない」と、決意を述べられた。

 

昨年12月には、皇后陛下とともに台風の人的被害が大きかった宮城県丸森町と福島県本宮市を訪れ、被災者の手を握りながら、励ましの言葉をかけられた。会見では、不自由な避難生活を続ける被災者らを「今なお胸が痛みます」と気遣われた。

 

子供をめぐる虐待の問題などにも触れ、「次世代を担う子供たちが健やかに育っていくことを願ってやみません」と話された。

 

広く国民のことを思い、寄り添われる姿は、すでに多くの国民の胸に刻まれている。昭和天皇から上皇陛下へと引き継がれ、今上(きんじょう)陛下が間近で学ばれてきた皇室の伝統である。

 

今年は英国ご訪問が予定されている。夏には東京五輪・パラリンピック両大会で、天皇陛下は名誉総裁を務められる。諸外国との親善交流で果たされる役割はとても大きく、国民は勇気づけられるだろう。

 

「もう還暦ではなく、まだ還暦という思い」と語られたのは心強い。天皇としての日々は、激務の連続と拝察する。

 

国民が知るご動静以外にも、数多くの宮中祭祀(さいし)で、日本と国民の安寧や豊穣(ほうじょう)を祈られている。陛下が営まれる大切な祭祀、儀式への理解を深めたい。

 

国民は、日本のために精励される陛下に深い敬意と感謝の念を抱いている。天皇と国民が温かい絆で結ばれているのが、日本の国柄だ。男系継承の大原則を守り、皇位が永く続いていくことが国民の願いであり、喜びである。

 

 

2020年2月23日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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