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【主張】新型肺炎で「反旗」 中国は言論統制を改めよ

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新型コロナウイルスの感染が拡大する中国で政府を公然と批判する動きが出始めた。著名な学者らが、情報公開と言論の自由を政府に求める公開声明を連名で出した。

 

感染拡大は「言論の自由の封殺によって引き起こされた人災だ」とし、政府の情報統制を厳しく批判する内容である。

 

一党独裁体制下の中国では、共産党や政府への批判が即、身辺の危険につながりかねない。実名での体制批判は異例である。それほど、国民が新型肺炎の蔓延(まんえん)に危機感を強めている証左である。

 

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もちろん、習近平政権下で強まる言論統制に対する根深い反発もあろう。習政権は、言論の自由と正確な情報を希求する人たちが発する切実な声に、もっと耳を傾けるべきである。

 

声明は、肺炎の存在にいち早く警鐘を鳴らして当局に摘発された男性医師、李文亮さんが新型肺炎で死去したことを受けてネット上に公開された。北京大学の憲法学者、張千帆教授らが署名した。

 

新型肺炎は武漢市民を含む国民が知らないところで広がった。声明は「人民の知る権利が奪われた結果、数万人が肺炎に感染し、死者は1千人に上った」と指摘している。「健全な社会には多様な声があるべきだ」と訴えた李さんの言葉を紹介し、死を無駄にしないためにも報道やネット上の議論の自由を認めるべきだとした。

 

清華大学の許章潤教授も政府対応を厳しく批判し、言論の自由を求める文書を発表した。許氏は改革派の論客で、国家主席の任期を撤廃した憲法改正を批判して停職処分を受けたこともある。今回もよほどの覚悟と勇気をもって行動したのだと受け止めたい。

 

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当局側はこうした動きへの弾圧に乗り出しているという。人権をないがしろにしてきた中国で、言論の自由を保障する自浄作用に期待するのは確かに難しい。それでも体制批判がうねりとなれば、政権も無視できまい。

 

習氏はトランプ米大統領との電話会談で、「われわれには、感染との戦いに勝利する自信と能力が完全にある」と胸を張った。それには情報の開示と言論の自由が欠かせないことを銘記すべきだ。

 

このことは多くの感染者や感染による死者を出した日本にとってもひとごとではない。日本は引き続き、中国に正確な情報の提供を求めていかなければならない。

 

 

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2020年2月16日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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