サントリー美術館で茶陶の企画展

 

 

サントリー美術館で「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶」という企画展が始まった。

 

日本各地、本当にたくさんの陶器産地があるが、大量生産されている物とは違い、手作り陶器は二つと同じ物はない。「土地」という言葉には「土」という字があるように、陶器はその地の「土」が原料であり、湿気が多く雨も多い日本では特にその場所毎にそれぞれの特徴がある。

 

陶器は英語でChinaと呼ばれるように元々は中国で発達しヨーロッパにも伝わったが、他の文化や技術、宗教などと同様日本も伝わり、日本で独自の発展を遂げた。喫茶という習慣も同じであるが、現在中国での飲まれ方と日本のそれとは大きく異なるのはご存知の通りである。

 

お茶会の時、茶の美味しさだけでなく道具、特に茶碗を鑑賞する時間があるが、順番に次の方へ回すため、結構短い時間しか見られない。ここには深い教養を要求されるのであるが、今回この美術館に展示されている「美濃焼」と言われる茶器をじっくり見ると、日本の茶道、茶器、その素晴らしさが良く分かるはずである。

 

美濃焼と呼ばれる焼き物で黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部、それぞれの特徴が分かりやすく説明されているし、特徴的かつ極上の“現物”をこれだけの点数まとめて見られる。写真では絶対に分からない質感を感じられる。どの器が良いかはそれぞれの人が自分の好きな色や形状、風合いを感じれば良いのであるが、個人的には鼠志野の茶碗を見ていて、鳥肌が立つほど感激した。

 

どの時代でも、どこの国・地域でも、独自文化の良さを理解、サポートし、次代に残そうと努力する素晴らしい人々の存在が必要である。日本では数寄者(すきしゃ)と呼ばれる文化のパトロン、特に茶の湯を熱心に愛し、茶道具を収集・所有している人がいる。この展示会では近代の数寄者の方達の蔵に所蔵されていた名品の数々が見られる。貴重である。

 

https://www.suntory.com/sma/

 

筆者:渡辺幸裕

 

 

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Yukihiro Watanabe

Author:

Yukihiro Watanabe, JAPAN Forward advisor, is the organizer of Gillie Club, a members-only club that offers a platform for cultural and social exchange and interactions among people with similar interests. He is also chief editor of Labunraku, a web portal supporting the traditional form of Japanese puppet theatre, Bunraku; a producer of events for novice Japanese culture enthusiasts; a visiting professor at Tama University Research Institute; and also serves as executive director for Ryori Volunteer No Kai (Food Volunteer Group), a foundation where member chefs visit disaster areas in Japan and serve food.  

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