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実は広島 バウムクーヘン伝来100年の秘密

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今年は「バウムクーヘン」が日本に伝来して100周年。瀬戸内海に浮かぶ「似島(にのしま)」(広島市南区)は、ドイツ人菓子職人、カール・ユーハイム(1886~1945年)が日本で初めてバウムクーヘンが焼かれた地とされている。限界集落化している似島でも、バウムクーヘン作り体験を始めるなど「発祥の地」としてのPRに乗り出した。

 

 

ユーハイムが捕虜に振る舞う

 

広島港から船で約20分。周囲約16キロ、面積約3・8平方キロの小さな島、似島に到着する。桟橋前にある地域おこし協力隊の活動拠点「ウエルカム似島」ではバウムクーヘン作り体験を行っており、隊員の小松健二さん(42)がバウムクーヘンを焼いていた。

 

タマゴと砂糖、薄力粉でできた生地を長さ約20センチの棒に何度もかけ、専用ガスコンロで焼き上げていく。「この棒は太鼓のバチを改良しました」と小松さん。1時間ほどで直径約10センチのバウムクーヘンが完成した。

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バウムクーヘンは、大正8(1919)年3月、似島の捕虜収容所に抑留されていたユーハイムが、他の捕虜に振る舞うために焼いたのが最初といわれている。

 

その後、ユーハイムは横浜市や神戸市で喫茶店を開業し、バウムクーヘンやマロングラッセなどの人気メニューでにぎわった。ユーハイムの死後、喫茶店のスタッフらが洋菓子メーカー「ユーハイム」(神戸市中央区)を設立した。

 

こうしたことにちなんで、広島市では「バウムクーヘン100周年」を祝うイベントが展開されている。

 

今年3月には、広島みなと公園(広島市南区)で開催された「広島みなとフェスタ」で、世界一長いバウムクーヘンを作るギネス記録に挑戦。20メートル27センチという世界新記録が誕生した。また、似島では100層のバウムクーヘン作りが行われ、約6時間かけて直径約40センチの巨大バウムクーヘンを完成させたが、「ギネスに申請したら、太さはカテゴリーになくて認定されなかった」(小松さん)。

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限界集落の島

 

似島はかつて陸軍の検疫所が置かれ、戦後は海砂利採取などで大いににぎわった。しかし、現在ではカキ養殖業をはじめとした漁業などが行われている程度。人口は激減し、限界集落に陥っているという。

 

このため昨年9月に似島に移住した小松さんらは、「バウムクーヘン発祥の地」と書かれたのぼりを並べるなどのPR活動に乗り出したほか、焼きガキの提供や、釣りざおや自転車のレンタル、貸し農園なども展開している。

 

「もともとは観光に力を入れてこなかった島だが、バウムクーヘンは大きなコンテンツになる」と小松さん。6月に開かれたドイツとの交流イベント「ハノーバーの日」では、島内外から約400人の来場者でにぎわった。

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「最終的な目的は移住者を増やすことだが、その前に島の存在を知ってもらうことが大切。バウムクーヘン体験などがきっかけになってくれれば」と小松さんは期待を込める。

 

 

バウムクーヘン作り体験の料金はプレーンが2千円、ココア味と抹茶味が各2500円。予約不要。問い合わせは同協力隊(080・6308・9868)。

 

この記事の英文記事を読む

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