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日本産食品の輸入規制なお20カ国・地域、検査負担も重く 大震災9年

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東京電力福島第1原子力発電所事故後に54カ国・地域で導入された日本産食品の輸入規制は、20カ国・地域まで減ったものの、令和元年に農林水産物・食品の輸出額トップ5を占めた香港、中国、米国、台湾、韓国は規制を続ける。東日本大震災の発生から3月11日で9年。政府は4月、輸出促進に省庁横断で取り組む司令塔組織を農林水産省に設け、輸入規制の撤廃・緩和に向けた働きかけを強める。

 

一段の輸出額増大には1カ国・地域でも輸入規制の数を減らしていくことに加え、「(上位5カ国・地域のような)大口市場での輸入規制の撤廃・緩和が必要」と農水省幹部は指摘する。

 

中国は新潟県産のコメを除く10都県産の全ての食品を輸入停止としているほか、残る37道府県の果実や野菜、茶などについても放射性物質の検査項目で日中が合意していないため実質上輸入を認めていない。

 

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政府は4月に司令塔として農水省に新設する「農林水産物・食品輸出本部」を中心に、20カ国・地域で続く日本産食品の輸入規制の撤廃・緩和に向けた協議を加速化させたい考えだ。

 

江藤拓農水相は「(輸入規制の内容が)科学的ではないのではないかという国もみられる」としながら、「科学的なエビデンス(証拠)の積み上げをしっかりと説明した上で、まだ(輸入規制が)残っている国・地域には積極的にアプローチしていきたい」と語る。

 

農林水産物・食品の輸出に携わる農業関係者からは検査などの負担が大きいとの声が上がる。

 

茶の栽培で全国的に知られる静岡県の牧之原台地。御前崎市の「やまま満寿多園」は生産から製造、販売まで一貫して手掛ける。

 

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平成3年からは輸出に乗り出し輸出先は北米やアジア、欧州などの約30カ国・地域に達した。増田剛巳社長(66)は「売上高の約6割、取扱量の約8割を輸出が占める」と話す。

 

だが、海外の日本産食品の輸入規制は悩みの種だ。例えば台湾は主な輸出先の一つだが、静岡県産の茶を輸出するには産地証明書に加え、検査機関が発行する放射性物質の検査報告書が必要となる。

 

増田氏は「検体を機関に送って検査してもらい、書類を用意するなど大変な手間がかかる。原発事故から9年がたってもこうした負担をしなければ輸出できない国・地域があるという現実を分かってほしい」と訴える。

 

JAグループ全体を代表する全国農業協同組合中央会(JA全中)の担当者も「原発事故を受けて設けられた輸入規制については政府・与党への働きかけを強めていく」と話す。

 

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筆者:森田晶宏(産経新聞)

 

 

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