長谷川 七重 様
それでも 高温多湿にした方がよいと思う。
●新型コロナ、夏に終息の公算小 高温多湿でも活発=欧州当局 3/26(木) 0:41配信
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は3月25日、新型コロナウイルス感染拡大が夏に終息する公算は小さいとの見通しを示した。研究結果によると、シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも、ウイルスの活動が弱まらないという。
ECDCは、この分析が「感染者の隔離や職場でのソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)、学校閉鎖など一連の措置の重要性を浮き彫りにした」と指摘した。
さらに、迅速に対応しなければ、欧州では4月半ばまでに集中治療室の病床が不足すると警鐘を鳴らした。
また、新型コロナが空中で最長3時間生存するほか、銅に付着した場合は最長4時間、段ボールは最長1日、プラスチックやステンレスは2─3日生存するというデータも示した。
【引用 終わり】
一方、3月14日付の日刊ゲンダイは「新型コロナウィルスは3日間滞留し空気中で3時間生存…弱点は湿度=米で報告書」 と報じました。
日刊ゲンダイは、米国「アレルギー感染症研究所」「国立衛生研究所」「国防総省先端技術開発庁」「全米科学財団」などの委託を受けて行われた「COVID19媒介物報告書」で、湿度50%摂氏22.22度にすれば、ウィルスの活動が収まる 事が判明したと伝えました。
つまり米国は「湿度50% 22.22℃以上の高温多湿なら、 ウィルスは活動を停止する」と《研究結果》を発表 しました。
しかし、欧州疾病予防管理センターによると、「シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも、ウイルスの活動が弱まらない」 ということです。
はて?
これはどういう事でしょうか?
米国にいる新型コロナウィルスより、ヨーロッパにいる新型コロナウィルスの方が 生存能力が強いのでしょうか?
いや、さすがにそれはないでしょう。
とすると、米国の発表は「科学的実験による研究結果」 で、欧州の発表は「《熱帯地方でも感染がある》という発生地の集計結果の分析による推測」 である為に、違う結論が発表されていると推測します。
高温多湿の夏になれば、感染拡大が終息するとは最初から言われていました。けれどその頃から、「でも熱帯のシンガーポールでも感染している。だから高温多湿にしても無駄なのだ」という論理の無限ループの中で、各国政府のコロナ対策に「高温多湿政策」が採用されることはありませんでした。
私が不思議に思うのは「なぜ こう判断するかな」という事です。
「熱帯地方でも感染がある」という《現象》と、「湿度50% 22.22℃以上の高温多湿なら、ウィルスは活動を停止する」という《実験結果》は、互いに矛盾するものではありません。
「湿度と気温の両方が達成された時に、ウィルスは活動を停止する」のですから、気温が22.22℃以上であっても湿度が低くかったり、建物内で冷房が効いていたりすれば、ウィルスは十分に活動できるのです。
室温をあげるだけならば暖房の設定温度をあげればよいのですから超簡単ですし、湿度もできる範囲で上げておくだけでも、ウイルスの活動を「停止できないまでも、抑制する」 効果はあると考えます。
私が注目しているのは、「シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも、感染者が発生する」ではなくて、「シンガポールのような高温多湿の熱帯地方では、欧州やニューヨークのように感染爆発は起こっていない」です。
日本でも北海道では感染が広がりましたが、沖縄では広がりませんでした。また、米国でも感染がパッと広がったワシントン州やニューヨークは寒い地方です。
私はこの現象を、①低温乾燥だと、ウィルスが快適で全力疾走して感染多数②高温多湿だと、ウィルスが不快で動きが鈍くて感染少数―だからだと推測しています。
なのに、なぜWHOの中も、各国政府首脳も高温多湿の効果に言及しないのか、私にはおよそ理解できません。
そして「換気すれば大丈夫だ」「飛沫が付着する程近くで会話しなければよい」「人が密集しなければよい」というから、「外ならOKなんだ」と人々はバーべキューや花見に繰り出すのです。私はここに「高温多湿」を加えれば、さらに感染率を下げることができるはずだと思います。
つまり、私は欧州疾病予防管理センター(ECDC)には事実と自分達の推論を分けて、人々が誤解をしないように正確に公表して欲しいと希望します。ですから 私は以下のように公表すべきであったと考えます。
自分達で実験をしたのなら、「湿度何%・気温何度の時までウィルスの活動は弱まらない」、もし実験をしていないのなら、「シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも感染者が出るということは、高温多湿でもウイルスの活動が弱まらない可能性がある 。だから夏が来ても感染が続くことも考えられる 」。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)のような公的機関には、人々は信頼を寄せていますので信じてしまいます。だから発言には慎重を期して頂きたいと思います。ワクチン開発とともに、ウィルスの弱点を研究し、正確に発信することはとても重要なことだと思います。
令和2年 3月26日
筆者:特別会員 長谷川 七重
千葉県在住のブロガー、漫画「宇宙人サクラダ、世界をわらう」をネットで発信中。著書に、「十七条の憲法」で紐解く日本文明論 多元相対論から日本を考える (産経リーブル)など。
https://note.com/nanaehasegawa/n/nb10d16fcd281
ツイッターは、@hasegawananae17