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わらで編んだ「ケンダイ」という蓑を被り、「カッカッカーのカッカッカ」と奇声を発しながら乱舞する山形県上山市に伝わる民俗奇習「加勢鳥」が2月11日、3年ぶりに本格開催された。
神様の使いとされる加勢鳥は、商売繁盛、五穀豊穣(ほうじょう)、火伏などを祈願する小正月の行事で、祈願に応じて加勢鳥に水をかけるのが習わし。五穀豊穣を願う人は少なめに水をかけるが、加勢鳥を火の粉に見立て火伏を願い勢いよくバケツで水をかける。
約500人以上の見物人が見守る中、上山城で安全祈願が行われ、上山市民俗行事加勢鳥保存会の大沢健一会長(63)が全国から参加した加勢鳥29羽を紹介した後、加勢鳥を代表し東京都から参加した近藤啓さん(50)は「火伏を願い、蔵王下ろしやお酒の誘惑にも負けずに力いっぱい舞うことを誓います」と宣誓した。
繰り出した加勢鳥には、勢いよく水をかけられ、体を震わせて「ヒェー、ヒェー」と鳴く加勢鳥もいた。
加勢鳥は、明治の一時期を除き、江戸時代(1620年代)から続く伝統行事だが、山形市から来た会社員、桜井隆弘さん(33)は「今年も来ました。楽しそうに舞ってますね。すごく面白い」といえば、オーストラリアから来たジョエル・パクストンさん(30)は「オーストラリアにはない祭り。とってもファンだね」。ステファニー・カーさん(29)は「ベリースペシャル。このまち独特のものなのでしょうね、きっと」と楽しんでいた。