Myanmar regime

Many people visited the Shwedagon Pagoda in Myanmar's largest city, Yangon, in April. (© Kyodo)

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あまりに非道な攻撃に言葉を失う。

 

軍事クーデターから2年余りが経過したミャンマーで4月、国軍が北部ザガイン地域の民主派勢力の拠点を空爆し、幼い子供も含む約170人が死亡した。

 

東南アジア諸国連合(ASEAN)からも、非難の声があがった。10日にインドネシアで始まるASEAN首脳会議は、暴力の即時停止を求める議長声明を発表する。

 

国軍は「テロリストの基地を攻撃した」と正当化したが、幼児を含む民間人を狙う無差別攻撃であり、人道上も認められない。

 

5月19日から広島で開催される先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で岸田文雄首相は、ミャンマー問題を主要議題の一つとし、国軍に翻意を促すためにも実効性ある制裁発動へ動くべきだ。

 

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軍事パレードで、部隊を閲兵するミンアウンフライン総司令官=3月27日、ミャンマーの首都ネピドー(共同)

 

国軍は4月中旬、民主派の施設開所式を狙って、戦闘機で空爆した。その後、攻撃ヘリで機銃掃射し、夜になっても遺体の収容作業を狙って再び空爆した。

 

2021年2月のクーデター後、国軍に反発する国民らは「国民防衛隊(PDF)」を結成、抵抗を強めていた。武装組織が民間人と近接する場にいることは、攻撃を受けた際に民間人の被害を拡大してしまう。だが、そうだとしても、国軍が空から、幼児を含む民間人を無差別に攻撃することは決して許されない。

 

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ミャンマーの首都ネピドーで軍事政権トップのミンアウンフライン総司令官(右)と握手する中国の秦剛国務委員兼外相=5月2日(新華社=共同)

 

ミャンマーにおける事態悪化の一因はロシアと中国の存在だ。

 

中露両国が軍事的にも政治的にも国軍の後ろ盾となっている。空爆に使用したヘリは、ロシア製とされ、ミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官は、クーデターの後、3度も訪露した。中国の秦剛国務委員兼外相は5月2日、ミャンマーを訪問して総司令官と会談し、「力の及ぶ限りの援助」を約束した。

 

民主化を求めた学生や市民を武力で多数殺傷した1989年の中国・天安門事件や、今も続くロシアのウクライナ侵略のように、民間人が犠牲となる事態に、中露やミャンマー国軍は痛痒(つうよう)を感じないようだ。

 

国連総会では、武器流入停止を求める決議案が採択されたが、中露は棄権し、実効性はない。

 

G7を中心とした国際社会は今まで以上に連携し、国軍に対し、制裁を含む圧力を強めていかねばならない。

 

 

2023年5月10日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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