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Taiwan's outgoing President Tsai Ing-wen and new President Lai Ching-te attend the inauguration ceremony on May 20. (Inside photo ©Kyodo)

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Japan to Taiwan: We Salute Your Bravery

(日本から台湾へ:私たちはあなた方の勇気をたたえる)

 

 

日本、アジアにとって今月最も重要なニュースは5月20日、台湾新総統に民主的選挙で選ばれた頼清徳・民主進歩党主席が就任したことだろう。それは、中国の王毅共産党政治局員兼外相ら同国幹部が一斉に頼新総統を「台湾独立」派と呼び、その就任を非難したことからも明らかだ。

 

上の英文(日本語訳)は、頼新総統の就任について英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)が20日伝えた記事の見出しだ。外交問題を担当するJFの英国人記者、ダンカン・バートレット氏が執筆した。

 

同氏はその中で、日本政府は台湾が価値観を共有する「非常に重要なパートナー」であるとして頼新総統を支援するメッセージを発信したほか、日本の国会議員約30人が「友」として台北を訪問し、新総統への支持を表明したと伝えた。

 

記事ではさらに、岸田文雄首相が今月初め、南米で唯一、台湾と外交関係を持つパラグアイを訪問し、同国のペニャ大統領と、台湾海峡の武力による現状変更の試みは受け入れられないとするメッセージを発したことや、紛争防止の観点から日本が防衛力強化に動いていること、4月には、日米比の3カ国首脳会談がワシントンで初めて開催され、平和を維持するために努力を重ねていることなども紹介した。

 

しかし、中国は、それとは真逆の活動を展開する。在日中国大使館は20日、座談会を開き、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」と発言し、日本が米国に追随しないよう牽制した。林芳正官房長官は22日の記者会見で、大使の発言が「極めて不適切だ」と述べ、厳重な抗議を行ったと明らかにした。

 

呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。発言を繰り返す呉氏を、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として、追放すべきだとの声も国会で上がっている。「恫喝」ともとれる言動は、反発しか生み出さない。

 

頼新総統は20日、就任演説で中国に対して「威嚇停止を」と呼びかける一方、現状維持のために軍事力を強化し、経済安全保障を構築して「世界の民主主義国家」との連携を進める考えを示した。こちらの方がずっと大人の対応だ。

 

4月下旬、台湾の立法委員(国会議員)ら約170人が台湾から来日し、山口県長門市にある安倍晋三元首相の墓に参拝した。記者(内藤)も取材に出かけると、台湾人たちの老若男女がお墓の前に行列をつくっていた。参列者は墓前に花を手向け、深く礼をして安倍氏の冥福を祈った。中には、目に涙を浮かべる人もいた。

 

墓参りを企画したのは、日本の若者の台湾留学を支援する「台湾安倍晋三友の会」(陳唐山会長、元外交部長=外相に相当)。陳氏は、墓参後の昼食会で「台湾有事は日本有事」という安倍氏の発言を引きながら「日本有事は台湾有事という気持ちで台日の友好関係を築いていきたい」と語った。参列者の中には、「初めて日本に来た。また、ぜひ来たい」と話す若者もいた。安倍氏は凶弾に倒れたが、日台にまかれた種は着実に成長している。

 

中国が隣国を「恫喝」すればするほど、人々の心は中国を離れていく。逆に、日本では、対中抑止力を向上させるため、防衛力の抜本的強化や日台や日米台の安保対話に乗り出すよう求める声が強まっている。世界は激動している。緊迫の度を増す中台関係や日中、米中関係は、世界の安定に大きな影響を及ぼす。台湾情勢は、アジア、そして世界の未来を占うカギの一つと言っても過言ではない。JFは注視していきたい。

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forawrd編集長)

 

次回は6月17日掲載予定

 

 

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