Shohei Ohtani

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米大リーグの大谷翔平選手の変化球「スイーパー」があまり落ちずに横に大きく曲がるのは、ボールの回転軸が進行方向に傾いているから―。魔球に隠されたこうした仕組みがスーパーコンピューター「富岳」による解析で分かったと、東京工業大などのチームが5月29日、発表した。軸が傾いていることでボールに浮き上がる力が働くという。

 

スーパーコンピューター「富岳」で再現した米大リーグ、大谷翔平選手の「スイーパー」の軌道。手前(灰色の点)から打者の方向(白い点)に向かって、ボールがあまり落ちずに左に大きく曲がっている(東京工業大の青木尊之教授提供)

 

スイーパーは大谷選手が3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表チームの優勝を決めた際に投げたことで知られる。横に曲がるスライダーの一種だが、スライダーが徐々に落下するのに対し、スイーパーは大谷選手の投球データでも落ちる幅が小さく、理由は謎だった。

 

理化学研究所が運用するスーパーコンピューター「富岳」=2021年3月9日(南雲都撮影)

 

 

チームは、ボールの回転数や回転軸の角度を変えて、周囲の空気の流れやボールの軌道を富岳で計算した。その結果、回転軸を打者の方向に50~60度、傾けると、大谷選手の投球を再現できた。軸が傾いていると、ボールを後ろから斜め上に押すような空気の流れが生じていた。

 

 

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