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韓国の革新系最大野党「共に民主党」の国会議員ら17人が、日本固有の領土である竹島(島根県隠岐の島町)に、日本政府による事前の中止要求を振り切って上陸した。
竹島を韓国は不法占拠している。上陸は到底容認できない。外務省が韓国政府に抗議したのは当然である。
共に民主党は先の総選挙で、尹錫悦政権や保守系与党「国民の力」を「日本に譲歩した『親日』だ」などと攻撃し、勝利した。共に民主党の李在明代表は「台湾海峡がどうなってもわれわれには何の関係もない」と無責任な発言もしていた。
総選挙後、李氏は対日関係を重視する尹大統領と会談し、外交路線の修正を求めたが、今後も反日をてこに政権への攻撃を強めることになろう。尹氏は野党の圧力に屈してはならない。日韓、日米韓の安全保障の連携が揺らげば、専制国家である北朝鮮や中国、ロシアを利するだけだ。
竹島は遅くとも江戸時代から漁業中継地として日本人が利用していた。明治38年に閣議決定で島根県に編入し、どこの国からも抗議はなかった。
サンフランシスコ平和条約の発効で日本が主権を回復する直前の昭和27年1月、韓国は日本海に沿岸水域の主権をうたう「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島を取り込み、自国領であるとの主張を始めた。日本漁船を拿(だ)捕(ほ)し、日本の巡視船を銃撃する事件も起こした。
29年には沿岸警備隊を竹島に上陸させ、約70年間も不法占拠し続けている。明白な主権侵害である。
日本政府は、29年から平成24年までの間、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を3回呼び掛けたが、韓国はいずれも拒否している。当事者同士の合意がなければ審理できない仕組みとなっているが、日本は何度でも提訴を働きかけ、国際社会に韓国の不法占拠をもっと知らしめなければならない。
なすべきことはほかにもある。北方領土の日(2月7日)は政府が制定し、返還要求大会には首相や関係閣僚が出席している。竹島の日(2月22日)は島根県の条例で制定し、県主催の式典に政府から出席するのは内閣府政務官だ。
政府は領土を取り戻す努力を怠ってはならない。
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2024年5月4日付産経新聞【主張】を転載しています