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米ハワイ大学のマノアキャンパスにあるケネディシアターでは、学生らが英語で歌舞伎「Kabuki」の稽古を行っている。ハワイで「Kabuki」が上演されてから今年で100年を記念し、公演が行われる。
日本人がハワイへ渡って入植したのは約150年前。その二世が大学生になり1924年、幼少期から親しんできた歌舞伎を英語で演じたのが始まりだという。
ハワイ大学演劇舞踊学科のジュリー・イエッツィー副学科長は「日本語の歌舞伎はアメリカのさまざまなところで行われているが、英語での『Kabuki』が100年続いているのは、ここハワイ大学だけ」だという。
100周年の演目は「The Maiden Benten and the Bandits of the White Waves」(弁天娘女男白浪)。4月19~20、26~28日にケネディシアターで上演される。
このケネディシアターは1963年に建てられた劇場で、こけら落としで、英語での歌舞伎「Benten the Thief」(「弁天小僧」)が上演されている。
今回の「Kabuki」プロジェクトで、芸術監督を務める八代目市川門之助さんは「歌舞伎を教えた生徒たちが教育者となり世界に散らばり、その国々で歌舞伎を広めてくれれば、世界中で日本の文化を理解するきっかけになる」と期待する。400年以上の歴史がある歌舞伎。その歌舞伎がハワイから「Kabuki」として世界に広がろうとしている。
ハワイ大学内にあるイースト・ウエスト・センターのギャラリーでは「歌舞伎ハワイと日本の繋がり」展を5月5日まで開催している。
筆者:土谷耕二(産経新聞動画推進室)