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バイデン米大統領は3月14日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り「国内で所有、運営される米国の鉄鋼企業であり続けることが不可欠だ」とする声明を出した。11月に大統領選を控える中、支持基盤の労働組合側が買収に反発しており、4月に予定する岸田文雄首相との首脳会談を前に声明を出すことで、労組側に寄り添う姿勢を示す狙いとみられる。
バイデン氏は「米国人労働者によって運営される強い米鉄鋼企業を維持することは重要だ」と声明で指摘した。
大統領選で戦う共和党のトランプ前大統領は1月に「私なら即座に阻止する。絶対だ」と明言し、買収に反対する労組の票獲得を図っていた。
USスチールの本社がある東部ペンシルベニア州は大統領選の勝敗を左右する重要州のひとつ。
バイデン氏は岸田氏を国賓待遇で米国に招き、4月10日に首脳会談を開く。
筆者:坂本一之(産経新聞ワシントン支局)