ラクロス男子日本代表は15対2でフランスを下し、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されている世界大会の予選リーグ初戦を快勝した。
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アジアで注目の日本

 

「2023 男子ラクロス世界選手権大会(ラディ小児科病院後援)」は6月21日から7月1日まで、カリフォルニア州サンディエゴで開催されている。予選通過の30の国や地域の代表チームが出場している。日本は世界大会には1994年の初出場から8度目の出場になり、アジアではラクロスの成長著しい国だ。今大会で日本は4位以内の入賞を狙う。

 

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6月21日の開会式で入場行進する日本チーム=サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

22日のフランスとの初戦で日本代表の立石真也選手は5得点、4アシストを成し遂げ、大会2日目の中で注目選手となった。

 

注目選手となった立石真也=6月22日、サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

金谷洸希選手も6得点した。ほとんどの日本選手が大学からラクロスを始めるのに対し、世界トップレベルの国では日本よりはるかに若い頃から選手はプレーを始める。日本選手はその経験のハンディキャップを技術の練習や戦略を磨いて克服・成長してきた。

 

日本チームの鈴木直文ヘッドコーチは初戦について「フランスとの初戦には10点以上の点差で勝ちたかったので、想定内の結果だ。この調子で予選リーグの突破が当面の目標だ。」と語った。

 

フランス戦で指揮を取る鈴木直文ヘッドコーチ=6月22日、サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

フランスチームのヘッドコーチ、ブレンダン・ボナカム氏は日本チームに対して「前回大会で世界6位の実力の強さを、試合を通して実感した」と賞賛した。日本に比べ、フランスはまだ世界大会の出場歴が3回とラクロスの歴史が浅い。

 

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鈴木潤一(22番)のシュートを防ぐフランスのゴールキーパー=6月22日、サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

日本は同じ予選グループで、23日(現地時間)にウガンダと、24日には英国のウエールズ、25日にはデンマークと戦い、予選通過しなければならない。予選リーグ通過の12チームとシード枠の2チームが6月28日から始まる決勝トーナメント(プレイオフ)で競うことになる。日本チームに注目だ。

 

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シュートを放つ尾花一輝=6月22日、サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

ラクロスとは

 

その起源は、北米の先住民が行う部族間の戦闘訓練の1種だったとされる。時には数百人以上の部族同士が、何日間もの間戦ったといわれる。17世紀にフランスの宣教師団が北米を巡業中に最初にそのゲームを見かけた時に「ラクロス」と名付けた。司教が使う杖に形状が似ていることから、フランス語で「司教の杖(クロス)」に付く定冠詞が「ラ」であることからこの名前になった。

 

今日の競技ラクロスは、1チームが10人の選手で編成される。標準的なグランドの大きさは、長編が100メートル(110ヤード)、横幅が55メートル(60ヤード)。男子の競技では、攻撃用の短いスティックとディフェンス用の長いスティックの2種類が使われる。ボールは硬いゴム製である。ゲームは15分ずつの4つのクオーターで構成される。

 

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金属製のスティックが簡単に折れるほど試合は激しい=6月22日、サンディエゴ(海藤秀満撮影)

 

日本でのラクロスは、1986年に慶應義塾大学の男子学生が最初にチームを作り、そこから全国の大学に普及した。現在、ラクロスの世界機関である「ワールド・ラクロス」には86の国と地域が加盟していて、ラクロスは2028年に開催される米国・ロサンゼルス夏季五輪の新種目候補として検討されている。

 

筆者:海藤秀満(JAPAN Forwardマネージャー)

 

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