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大阪観光局は6月27日、提供開始から約1年となる独自の観光アプリを刷新し、「ハローキティ」と初コラボレーション。現実世界と仮想空間を組み合わせる技術「クロスリアリティー(XR)」を体験できるコンテンツを今年4月に導入したと発表した。
アプリの名称は「Discover OSAKA(ディスカバーオオサカ)」。大阪城や通天閣など府内13カ所でかざしたスマートフォンの画面にキャラクターが現れ、旅先で一緒に記念撮影が楽しめる。
7月以降、府外にも撮影スポットを広げ、周遊観光を促す。開幕が迫る2025年大阪・関西万博に向けインバウンド(訪日客)の増加が一層見込まれる中、万博スペシャルサポーターで、海外認知度の高い「ハローキティ」を武器にアプリ利用を増やしたい考えだ。
アプリの刷新では今後、交通や顔認証決済などの機能も加える。人工知能(AI)で利用者をマッチングし、相乗りで料金を抑えるメリットなどがあるタクシー配車システムを9月以降に導入。10月以降は定点カメラを府内5~10カ所に設けて観光スポットの様子を即時に見られるようにし、混雑を避ける動きを促すなどオーバーツーリズム(観光公害)対策も強化する。
同観光局のアプリは昨年7月に提供を開始。XR体験のコンテンツは別のキャラクターで当初から導入していたが、今年3月末までの利用者数は1122人と伸び悩んでいる。
一方、アプリ自体の今年6月11日時点におけるダウンロード数は累計7万2835件と目標の5万を超えたが、利用者の約6割は国内客で「ターゲットの訪日客が少ないのも課題」(担当者)だ。刷新により訪日客の利用を増やし、6年度にダウンロード数を15万件と倍増を目指す。
筆者:田村慶子(産経新聞)