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天皇陛下は2月23日、64歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居・宮殿で記者会見し、1月に発生した能登半島地震の犠牲者への哀悼と被災者へのお見舞いを述べ、現地の状況を見て「訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができれば」との考えを示された。
陛下は会見で、避難生活が長期化する中での被災者の体調の悪化などをご懸念。被災者の医療・健康支援やライフライン復旧などに懸命に取り組む人に「心からの感謝をお伝えしたい」とした上で、「復旧・復興が順調に進んでいくことを心から願っています」と述べられた。
地球規模の課題にもご言及
会見では、温暖化の問題や世界各地で続く戦争や紛争など、地球規模の課題にもご言及。「世界が直面するこうした困難な状況に、深く心が痛みます」として、世界の人々が協力していくことの大切さを「改めて感じています」と述べられた。
安定的な皇位継承についての質問では、男性皇族の高齢化や、女性皇族の結婚による皇籍離脱で皇族数が減少していることについて、「皇室の将来とも関係する問題」とご指摘。一方、具体的な将来像などについては「制度に関わる事柄」として回答は控えられた。
「国民のために何をすべきか」
皇室が国民のために何をすべきか、的確に感じ取れるように-。5月に即位から5年を迎える天皇陛下は記者会見で、地方訪問などで広く国民との交流を重ねる意義を、こう表現された。およそ3年に及んだ新型コロナウイルス禍が落ち着きを見せ、昨年からご活動が本格化。令和に入って始めた新しい試みについても、振り返られた。
陛下は記者会見で、コロナ禍で交流が制限されたことを「残念」としつつも、感染対策として取り入れたオンライン交流の「利点」も見えたとご指摘。一方、感染症が落ち着き、「人と人との絆(きずな)を深めることができるようになった」と直接交流の再開を喜ばれた。
「日本文化や伝統を知って」
外国賓客の接遇で新たに、和食の提供や日本酒による乾杯を取り入れたことについて、「雅子や職員とも相談」したと明かし、「日本の文化や伝統を知っていただくとともに、日本の人々に近しい気持ちを抱いていただけるような機会になれば」との意図を明かされた。
会見では、ご家族についてもご言及。昨年、ご結婚から30年を迎えた皇后さまには感謝とともに、「この先の人生も引き続きよろしく、と伝えたい」とお述べに。日本赤十字社への就職が内定された長女の敬宮(としのみや)愛子さまについては、「人のために何かできればという思いを以前から持っていた」と明かし、「社会人の一人として成長していってくれることを願っています」とエールを送られた。