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住宅設備大手のTOTOは28日、令和12年度までの長期的な目標を定めた経営計画「新共通価値創造戦略」を発表し、住設事業の海外売上高比率を2年度の25%から12年度は50%以上を目指すことを掲げた。国内では人口減少などに伴いリモデル(リフォーム)需要が伸びる一方、新築住宅の着工は減少が予測される中、温水洗浄便座「ウォシュレット」の普及などで海外市場の拡大を図る。
グループ全体の売上高は12年度に9千億円以上(2年度は5778億円)、営業利益率は10%以上(同6・9%)を目標に据えた。
また、持続可能な社会の実現に向け、節水や節電など環境に配慮した商品の構成比を2年度の69%から12年度には78%にまで高めるとした。事業所からの二酸化炭素排出量も平成30年度の35・7万トンに対し、25・0万トンにまで減らす目標も示した。
長期計画の達成に向けた3~5年度の「中期経営課題」も公表した。5年度の売上高は6900億円、営業利益は600億円(同397億円)を目指す。売上高のうち国内住設事業が2年度比11%増の4650億円なのに対し、海外住設事業は同45%増の2千億円と大幅な伸びを見込む。
海外は主力の中国のほか、ウォシュレットの販売が増えている米国を中心に工場の増強などに3年間で560億円を投資する計画だ。
国内ではリフォーム事業を柱に、新型コロナウイルス感染拡大による衛生意識の高まりを受け、非接触の自動水栓やデジタル技術を活用し付加価値を高めた商品を積極的に投入する。
白川敬副社長は北九州市で記者会見し「現時点で社員全員が共有する旗印として掲げた。将来に向けては不確実な要素もある。年度ごとに状況を見極め、修正すべきところは修正していく」と述べた。
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TOTOが28日に発表した令和3年3月期の連結決算は、売上高が前期比2・6%減の5809億円。最終利益は15・3%増の271億円で増益となった。
国内の住設事業はリフォームが好調だったが、新型コロナウイルスの影響などで減収減益だった。一方、海外は中国での需要回復やカナダを含む米州市場でのウォシュレット販売台数が前期に比べ1・8倍に拡大したことなどで増収増益となり、全体の利益を押し上げた。
筆者:小沢慶太(産経新聞)
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