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理化学研究所などが開発した国産初の量子コンピューターが3月27日、稼働した。大学や企業などの研究者や技術者がインターネット経由で利用できるようにする。量子コンピューターの開発は米国などが先行しており、国産機の運用開始で日本の科学力や産業競争力の強化につなげる。
量子コンピューターはスーパーコンピューターをしのぐ速さで計算を行い、複雑な問題を解くことができるようになると期待される。新材料の開発や創薬、金融市場や経済動向の予測など幅広い分野への応用が見込まれており、世界中で開発競争が激化している。
国産機は、昨年4月に策定された政府戦略で今年度中に整備する計画が決まり、理研の量子コンピュータ研究センター(埼玉県和光市)で開発が進んでいた。
極低温に冷やして電気抵抗をなくす超電導の回路を使う方式を採用し、この方式の先駆者である中村泰信センター長が開発を率いた。理研のほか、大阪大や富士通、産業技術総合研究所などが開発に参加。当面は理研との共同研究契約を通じての利用を募る。