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人気映画「ハリー・ポッター」の世界を体感できるエンターテインメント施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が6月16日、令和2年に閉園した東京都練馬区の遊園地「としまえん」跡地に開業した。小学4年から夢中になって本を読み、映画を何度も観賞し、ハリーたちとともに育った記者が、魔法界を体験した。
英ロンドンに続き世界で2番目に開業した同施設。映画制作に携わった制作陣らにより制作されたセットを中心に、魔法動物や小道具などの展示、その解説から制作の舞台裏を体験することができる敷地面積約9万平方メートルのウォークスルー型の施設だ。「ワーナー ブラザース スタジオ ジャパン」(港区)が運営する。
頭上にドラゴン
エントランスをくぐると、頭上には4作目でほうきに乗ったハリーと対決した獰猛(どうもう)なドラゴン。重厚な扉が開くと、ホグワーツ魔法魔術学校の大広間のセットが現れた。長机にはカトラリーが並び、これからハリーたちの昼食が始まるかのよう。奥のテーブルには映画の衣装をまとったダンブルドア校長や教職員ら。スツールの上には組み分け帽子、壁には各寮の得点を表示する砂時計もある。
ハリーたちグリフィンドール生が生活する談話室と男子寮は、赤を基調とした温かい空間が広がる。ライバル関係にあるスリザリン寮の談話室は、黒い革張りのソファや木製の椅子、寒色を配し、薄暗い雰囲気を生み出している。各寮や登場人物の違いをセットや小道具から見ることができる。
9と4分の3番線のセットには、赤い車体のホグワーツ特急が停車中。乗車すると、コンパートメント内でくつろぐ各学年のハリーたちを見られる。駅構内の壁には、おなじみの壁をすり抜けるカートもあった。
ロンドン魔法省のセットをフルスケールで体感できるのも同施設の特長。カフェでは魔法界で人気の飲み物「バタービール」でひと休み。ハーマイオニー・グレンジャーが口周りにつけていた「白いひげ」も再現できそうなもっちりとした甘い風味の泡がある炭酸飲料で、魔法界の休日を味わえる。ダイアゴン横丁、禁じられた森、校長室…挙げきれないほど多くのセットや展示など映画で見た光景が続く。
圧倒的リアル感
圧倒的なリアル感の興奮を分かち合ってくれるのは「インタラクター」と呼ばれるスタッフ。個人のペースで楽しむウォークスルー型施設だからこそ「相互通行のコミュニケーションのおもてなしで体験価値を向上させたい」と、同社ヘッドオブショーエクスペリエンス、小野里尚樹さんは話す。
「本の世界がどう映画になったのだろうというリアリティーがあり、学びの場であり探求心がわく施設になっている」と小野里さん。ポッタリアンから一度だけ見た人、3世代の家族連れなど、どの層にも興味を抱かせる魅力が詰まっているという。
原作は完結しているが舞台などは今も続いており「ハリポタ漬けになって出てきたとき、楽しかったね、もう一回映画を見たいね、とリバイバルの輪が回ってほしい」と、同作全体への起爆剤となることを期待している。
公式ウェブサイトより日時指定予約制。大人6300円、中高生5200円、4歳から小学生3800円。
筆者:鈴木美帆(産経新聞)