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自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は12月10日、訪日中の台湾与党・民主進歩党の林右昌秘書長(幹事長に相当)らと国会内で会談した。林氏が日本について「友達を超えて家族のよう」と語り、高市氏は「もう台湾が大好きで大好きで…」と応じた。高市氏は代表的な「親台」の政治家として、林氏が会談を要請したという。
「民進党で政権維持を」
「安倍晋三元首相の路線を継承し、経済安全保障や台湾海峡問題に精通している政治家だ」
林氏は冒頭、高市氏をこう評した。さらに11月の野球の国際大会「プレミア12」決勝で台湾代表が日本代表に勝利した後、両チームのファンが祝福し合った事例を挙げて、より緊密な政党間交流を呼びかけた。
高市氏も、中国の習近平国家主席が台湾統一の野心を隠さないことに強い懸念を示し、「(『一つの中国』原則を認めない)民進党で政権を維持してほしい」とエールを送った。
また、石破茂首相に敗れた9月の総裁選を「負けた大きな理由は、私が総裁になったら北京政府(中国)との関係が悪くなるのではないかと心配した人が多かった」と振り返り、自身は台湾との連携を重視する政治家だと強調した。
林氏は7日に来日し、自民党の森山裕幹事長をはじめ、立憲民主党、日本維新の会の幹部らと会談し、意見交換を重ねている。
高市氏に対しては「今まで台湾の立場に寄り添った発言をしてくれた。そのお礼に来た」(林氏)という。
「萩生田さんに似ている」
林氏は中国の拡張政策に懸念を示しつつ、高市氏に中長期的な連携を求めた。この会談の最中、高市氏はふと林氏に似ている日本の政治家がいると切り出した。
「大変失礼なのですが、(自民党元政調会長の)萩生田光一さんを少しやせさせたような…目が似ている」
高市氏は「林氏の方が断然ハンサムです」とも述べたが、日台双方から納得したような声が上がった。林氏と来日した民進党の山田摩衣氏は日台ハーフで新北市の「板橋区」選出の市議だといい、高市氏らが東京都の板橋区と混同する場面もあった。
高市氏は閣僚を務めていた今年前半に訪台する計画を立てていたが、党内調整が進まず断念したという。この日は今国会閉会後の訪台に強い意欲を示した。頼清徳総統との会談に加え、台湾・高雄市に立つ安倍氏の銅像を視察したいとも語った。
筆者:奥原慎平(産経新聞)
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