
入校式で新人警察官を代表して宣誓する川畑幸誠巡査=4月15日、府中市(大渡美咲撮影)
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新人警察官が訓練に励む警視庁の警察学校(東京都府中市)で4月15日、初任科入校式が行われ、真新しい制服に身を包んだ18~32歳の計535人が警察官としての第一歩を踏み出した。警視庁は警察学校について多くの人に知ってもらおうと、今回初めて入校式を公開した。
父母ら900人も
式には入校生の父母ら約900人をはじめ、鎌田徹郎副総監と高塚洋志第一方面本部長らが出席した。

警視庁音楽隊の演奏に合わせた国歌斉唱に続き、吉田知成警察学校長は「同期というかけがえのない仲間と互いに励まし合い、支え合いながら絆をはぐくみ、切磋琢磨して多くの困難を乗り越えてほしい」と訓示した。
鎌田副総監は「困っている人を助けたい、人のためになる仕事をしたいという警察官を志した気持ちを忘れず、勉学や訓練に励み、地域住民の期待と信頼に応えられる警察官になってほしい」と激励した。
入校生を代表し、川畑幸誠巡査(21)が「何者にもとらわれず、何物をも恐れず、何者をも憎まず、良心のみに従って公正に警察職務の遂行にあたることを厳粛に誓います」と力強く決意を述べた。
女性は過去最多
入校した535人のうち女性警察官は195人(36・4%)で過去最多。北海道から鹿児島までの出身者のほか、自衛官や消防官、銀行員などからの転職者もいるという。大卒相当の短期課程(6カ月)と高卒・短大卒相当の長期課程(10カ月)があり、4月1日に入校して敬礼などの基本的な動作を学んでから、入校式に臨んだ。

今後は寮生活を送りながら、一般教養や法律、柔道、剣道、逮捕術、拳銃の扱いなどを学ぶ。
入校した田中颯太巡査(22)は「オートバイに乗るのが好きなので、白バイ隊員になって一人でも多くの都民から信頼される警察官になりたい」と力を込めた。
秋田県出身の阿部美優巡査(19)は父親と同じ刑事を目指すとし、「幼いころから警察官になりたいと思っており、多くの人を助けることができる警察官になりたい」と話した。母親の万有美さん(41)は「制服姿を見てかっこいいと思いました。遠く離れているので心配ですが、芯がある子なので、見守っていきたい」とエールを送った。
双子の伊達崎流唯巡査(20)と翔唯巡査(20)は「同僚としてライバルとして切磋琢磨してお互いに頑張っていきたい」と話した。母親の久仁子さん(50)は「二人とももともと正義感が強い。優しい警察官になってほしい」とし、父親の直人さん(50)は「頑張ってほしい」と話した。
採用につなげたい
警視庁の受験者数は平成22年度の2万9908人をピークに年々減少。昨年度は8341人だった。少子化などの影響で人材獲得競争が激化しており、警察学校幹部は今回の入校式の初公開について、「厳しいというイメージの警察学校の開かれた真の姿を見てもらい、採用につなげられれば」と話した。同校では、昨年末には初めて1日体験入校を行うなど、警察官という職業に興味を持ってもらう取り組みを進めている。
筆者:大渡美咲(産経新聞)
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