
「ナーダム」の開会式に臨まれる天皇、皇后両陛下=7月11日午前、モンゴル・ウランバートル
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国賓としてモンゴルを訪問していた天皇、皇后両陛下は7月11日、同国最大の国民的祭典「ナーダム」の開会式に臨まれた。両陛下は伝統的な弓射競技を視察し、動物の骨を指ではじき的に当てる「シャガイ」をご体験。皇后さまのはじかれた骨が高得点の的に命中すると、観客から大歓声があがった。

12日にはナーダムの花形である競馬競技をご覧に。子供らの騎乗する馬が駆け抜けると、両陛下はさかんに拍手を送られた。天皇陛下は持参のカメラで撮影もされた。

また両陛下はホスタイ国立公園の自然保護区で最古の野生馬「モウコノウマ」(タヒ)の群れをご観察。子馬に命名する機会もあり、陛下は「友」、皇后さまは「愛」と名づけられた。

両陛下は13日、全日程を終え、フレルスフ大統領の公邸でお別れのあいさつをされた。政府専用機で同日夕、ご帰国。出迎えた秋篠宮ご夫妻をはじめとする関係者と、にこやかに言葉を交わされた。
両陛下は帰国後「日本とモンゴルの友好親善と協力関係がより一層進展することを心から願っています」と感想を公表された。平成19年は皇太子時代の陛下お一方での訪問だったこともあり「初めて二人でモンゴルを訪れ、とても思い出深い訪問となりました」と振り返られた。

日本人抑留者慰霊碑への供花については「先の大戦で亡くなられた方々のことを忘れず、過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと改めて思います」とされた。
上皇さまは14日、無症候性心筋虚血などの治療で新たな投薬を行うため、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)に入院された。上皇后さまも付き添われた。宮内庁によると、心臓の負荷を和らげるため新たな内服薬を追加。心電図で心臓の状態を確認するなど、経過観察をしながら適切な投薬量を調整される。
秋篠宮ご一家は11日、東京都写真美術館(目黒区)を訪れ「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」をご覧になった。報道機関などが撮影した原爆投下直後の広島市内の写真など、約160点を展示。

爆心地近くの写真を見た秋篠宮さまは「かなり爆風が強かったんですね」と述べられた。説明役の担当者によると、秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまも「カメラマンが葛藤を持ちながら撮られたことも伝わりました」と話されたという。
秋篠宮妃紀子さまは15~16日、「第61回献血運動推進全国大会」臨席などのため、宮城県を訪問された。15日は県立秋保かがやき支援学校(仙台市)で地域住民も利用する生徒の学習の場「どまカフェ」をご覧に。多賀城市の東北歴史博物館なども視察された。

16日には、仙台サンプラザホール(仙台市)で献血運動推進全国大会に臨席し「将来にわたって安定的に血液を供給するためには、若い世代の献血への理解と参加が重要になっています」とお言葉を述べられた。
高円宮妃久子さまは14日、東京都港区の明治記念館で優れた研究成果をあげた理工系の学生や企業の若手研究者らを表彰する「第38回 独創性を拓(ひら)く 先端技術大賞」の授賞式にご臨席。受賞者をたたえられた。

筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)
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2025年7月18日産経ニュース【皇室ウイークリー(906)】を転載しています
【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。
また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。
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