産経新聞の宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。
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全国戦没者追悼式に臨席される天皇、皇后両陛下=8月15日午前、日本武道館(川口良介撮影)

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天皇、皇后両陛下は終戦の日の8月15日、日本武道館(東京都千代田区)で行われた全国戦没者追悼式に臨席された。両陛下は標柱の前にゆっくりと進み、ご拝礼。正午の時報に合わせて黙禱(もくとう)された。

天皇陛下はお言葉で「さきの大戦においてかけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」と述べられた。また、昨年のお言葉の内容を踏襲した上で「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」との文言を加え、次世代へ戦争の記憶を継承する願いを呼びかけられた。

その後、両陛下は、父親が引き揚げ船の沈没で亡くなった遺族代表の江田肇さんらの「追悼の辞」に、静かに耳を傾けられていた。

全国戦没者追悼式に臨まれる天皇、皇后両陛下=8月15日午前、東京都千代田区の日本武道館(相川直輝撮影)

宮内庁によると、上皇ご夫妻は同日、お住いの仙洞(せんとう)御所(港区)で、式典の様子をテレビで見守り、黙禱をささげられた。

両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまも、御所で黙禱された。その後、日本赤十字社本社(同区)に出社し、他の職員とともに、戦地などで救護活動に従事し、亡くなった医療関係者らを弔う慰霊碑に花を手向けられたという。

JR軽井沢駅前で出迎えた人たちに手を振られる上皇さまと上皇后さま=8月21日午後、長野県軽井沢町(代表撮影)

上皇ご夫妻は21日、静養のため長野県軽井沢町に入られた。JR東京駅から新幹線を利用し午後3時前、軽井沢駅にご到着。お二方は手を取り合って進み、駅前から車に乗り込む際には、出迎えた多くの人々に対し、上皇さまは手を振られ、上皇后さまは会釈で応じられていた。

日本の芸術文化を紹介するイベントに臨席するため、米国を私的に訪問していた三笠宮家の瑶子さまは19日、帰国された。翌20日、皇居・賢所を参拝し、米国訪問を無事に終えたことを報告された。

高円宮妃久子さまは19日、明治記念館(東京都港区)で開催された第42回産経国際書展の贈賞式にご臨席。最高賞「高円宮賞」の受賞作について、「誰が見ても分かる造形的な美しさがそこには感じられると思います」とたたえられた。

高円宮賞の受賞者に賞状を手渡される高円宮妃久子さま=8月19日午後、東京都港区の明治記念館(松井英幸撮影)

久子さまはその後、都内のホテルで開催された第77回日米学生会議記念レセプションに臨まれた。久子さまは日米学生会議を主催する国際教育振興会の賛助会の名誉会長を務められている。

20日には、都内百貨店で、第40回東京都障害者総合美術展の表彰式にご臨席。久子さまは展示された作品をご覧になった。

その後は国立代々木第一体育館(渋谷区)へ移動し、ハンドボールの国際試合をご観戦。久子さまは日本ハンドボール協会の名誉総裁に就任されている。

久子さまは21日、「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW2025」開会式臨席のため、幕張メッセ(千葉市)に足を運ばれた。久子さまは平成16年からイベントの名誉総裁に就任されている。DIYは英語の「Do It Yourself」の略で、自らの手で快適な生活空間を創造することを意味する。久子さまはDIY・ホームセンター関連企業がブースを構えた展示会場を視察された。

久子さまの長女、承子さまは21日、2025年大阪・関西万博を訪れ、「いのち動的平衡館」や「いのちの遊び場クラゲ館」などのパビリオンをご覧になった。

筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)

2025年8月22日産経ニュース【皇室ウイークリー(911)】を転載しています

皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。

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