
インタビューに応じる、ジュリア・ロングボトム駐日英大使=8月22日午前、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
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英海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズを中核とする空母打撃群が日本に寄港しているのに合わせ、英国のロングボトム駐日大使が8月22日、産経新聞の取材に応じた。ロングボトム氏は、今回の寄港を通じ、米国や日本、オーストラリアなどの同盟国・友邦国との連携を示すことで、ルールに基づく国際秩序を「必ずしも尊重していない国々」に対する「力強いメッセージを送ることができる」と述べた。
中国やロシア、北朝鮮がインド太平洋地域で軍事的圧力を強める中、日英などの安全保障協力の重要性も強調した。
英空母打撃群の寄港は、2021年にクイーン・エリザベスなどの艦艇が寄港して以来2度目となる。
ロングボトム氏は、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢などを念頭に、4年前よりも「世界ははるかに複雑で不確実な情勢」になったと指摘。英国が日本との安保協力を強化するのは、こうした情勢に応じた措置だと述べた。
海上自衛隊の護衛艦は今回、英空母打撃群に対して初めて護衛訓練を実施した。23年5月に日英首脳が発表した「日英広島アコード」を踏まえた取り組みで、日英の相互運用性の向上を図る試みが「言葉だけでなく、実際の行動に移していることを示す好例だ」と強調した。
また、英空母に搭載する最新鋭ステルス戦闘機F35Bが海自の護衛艦「かが」に初めて着艦したことにも触れ、「協力を継続的に進めている」と述べた。
プリンス・オブ・ウェールズはF35Bを最大24機搭載し、最先端の防衛技術を備える英艦隊の旗艦だ。
ロングボトム氏は「英国のイノベーションとテクノロジーを他国に示してわれわれの強さを見せることのみならず、日本のように信頼できるパートナー国と(先端技術を)共有することが重要だ」と述べた。
筆者:岡田美月(産経新聞)
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