中国軍の新型空母「福建」が台湾海峡を通過した。南シナ海の関連海域で試験と訓練を実施、就役に向けた準備が最終段階に入っている可能性がある。

中国海軍の最新鋭空母「福建」=9月11日、東シナ海(防衛省統合幕僚監部提供)
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中国人民解放軍は9月12日、中国軍の新型空母「福建」が台湾海峡を通過したと明らかにした。中国国営新華社通信が伝えた。具体的な日時は明らかにしていないが、福建は南シナ海の関連海域で試験と訓練を実施。福建の就役に向けた準備が最終段階に入っている可能性がある。
福建は中国軍の3隻目の空母。新華社によると、中国海軍の報道官は、今回の航行について「地域をまたいだ試験、訓練」だとし、「空母建造プロセスにおける通常の計画であり、いかなる特定の標的を狙ったものではない」と説明した。福建は、2024年5月以降、就役に向けて試験航行を重ねている。

日本の防衛省統合幕僚監部は11日、福建が東シナ海で航行しているのを発見したと発表した。自衛隊が福建の航行を確認したのは今回が初めてだった。
福建は、リニアモーターの原理で艦載機を発進させる電磁式カタパルト(射出機)を中国の空母として初めて備えた。すでに就役している「遼寧」と「山東」は傾斜をつけた艦首の甲板から艦載機が自力で発艦するスキージャンプ式を採用している。
筆者:三塚聖平(産経新聞中国総局)
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