中国が東シナ海での示威行為を強めている。日本はさらなる監視や防衛体制の強化が求められる。
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尖閣諸島の魚釣島沖で中国海警船(中央奥)をぴったりとマークする海上保安庁の巡視船=令和6年4月(大竹直樹撮影)

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奄美大島(鹿児島県)沖で、中国の海洋調査船が日中中間線をまたぐという「特異」な航行が確認された。尖閣諸島(沖縄県石垣市)では中国海警局の船が連日航行を続けるなど、中国は東シナ海での示威行為を強めている。海洋権益などの確保に、なりふり構わず他国に圧力を強めていくことを常套手段とする中国に対し、日本はさらなる監視や防衛体制の強化が求められる。

「データは取り尽くしている」

第10管区海上保安本部(鹿児島)によると、中国の海洋調査船「向陽紅22」は9月26日、日本の排他的経済水域(EEZ)で確認。28日以降は複数回にわたり同意を得ない海洋調査を行った。海保の巡視船が無線で活動中止を要求したものの、今月6日まで奄美沖でパイプのようなものを海中に延ばし続け、11日にも活動が確認された。

元11管(那覇)本部長で、海上保安協会常務理事の一條正浩氏は「現場海域では中国が以前から海底の地形や地質を調査しており、すでにデータは取り尽くしているとみられる」とした上で「調査は政治的アピールの可能性もある」との見方を示している。

さらに船舶の位置や操業状況を確認できるサイト「ヴェッセルファインダー」や海保関係者によると、別の中国海洋調査船「向陽紅18」が今月1日、日中中間線を越えて尖閣付近を航行していたことも判明した。5日には長崎県男女群島沖での活動が確認され、日本付近の東シナ海で中国調査船が2隻体制となった。

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筆者:西山諒、大竹直樹(産経新聞)

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