太田英昭・JAPAN Forward代表理事が広島県呉市の高校で講演し、「日本と日本人の歴史に誇りを持って、日本を背負うような若者が出てきてくれれば」とエールを送った。
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清水ケ丘高校で講演する太田英昭氏=広島県呉市(矢田幸己撮影)

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産経新聞社顧問で、JAPAN Forward運営元の代表理事を務める太田英昭氏が広島県呉市の清水ケ丘高校で、同校と姉妹校・呉青山中高の生徒計約600人を前に「日本と日本人」と題して講演した。

日本の歴史をたどる中で、封建的なイメージが残る江戸期について「既に屎尿(しにょう)の循環型システムが確立されており、世界が驚嘆した。持続可能性を300年も先取りしていた」と言及。また、大阪の米相場をいち早く江戸へ伝達すべく旗振り通信が編み出されたとし「飛脚で6日間かかる距離をわずか8時間で伝えた。先人の知恵に学ぶべき点は多い」と述べた。

古市公威(1854-1934)

さらに、近代土木行政の骨格を築き、工学制度の確立に尽力した古市公威(こうい)を取り上げ、古市がパリ留学時、風邪をひき、下宿先の主人に休むように言われても「私が1日休むと日本が1日遅れる」と語ったエピソードを紹介。「主人は東洋のジャポンという国はとんでもない国になると思ったのではないか。先人の気概があって今の日本があるということは覚えておいていい」と話した。

太田氏はジャパンフォワードにも触れ、「世界へ向けて日本の素顔や日本の魅力を知ってもらおうとの思いで、70歳を超えてから立ち上げた」と説明。「目的とやる気があれば新たな価値を生み出せる。日本と日本人の歴史に誇りを持って、日本を背負うような若者が出てきてくれれば」とエールを送った。

筆者:矢田幸己(産経新聞)

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