外国人の受け入れ秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議の初会合で発言する高市早苗首相=11月4日午前、首相官邸(春名中撮影)
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高市早苗政権が最重要課題の一つに掲げている外国人政策の取り組みが始まった。
関係閣僚会議の初会合で、高市首相は、一部外国人の違法行為やルール逸脱に国民が不安や不公平を感じていると指摘した。さらに「排外主義とは一線を画しつつも、政府として毅然(きぜん)と対応する」と語った。
その上で在留資格の審査の厳正な運用や、外国人による不動産保有の実態把握などを指示した。来年1月をめどに基本方針をまとめる。
高市首相の問題意識は妥当だ。日本の国の形に関わる重大事でもある。政府を挙げて対応してもらいたい。
関係省庁は法務省、厚生労働省、警察庁など複数に上る。縦割りの弊害を排す必要がある。高市首相は担当閣僚を新設した。小野田紀美外国人共生担当相には、司令塔の役割を発揮してほしい。

外国人の犯罪や迷惑行為、社会保障制度の不正利用、オーバーツーリズム(観光公害)などの問題が顕在化している。外国人問題は7月の参院選で大きな争点となり、解決を強く訴えた参政党が躍進した。国民の不安や不公平感の解消は急務だ。
閣僚会議で高市首相が「不法滞在者ゼロプラン」の強力な推進を指示したことも評価できる。それはルールを守る外国人が安心して日本で暮らせることにもつながる。

不動産の移転登記時や森林の取得の届け出時に国籍を把握する仕組みも検討する。中国人・資本による不動産の投機的取得の影響もあって、日本人がマンション購入をあきらめる事態は避けねばならない。安全保障の観点から外国資本による自衛隊など重要施設周辺の不透明な土地取得も防ぎたい。
厚労省は、外国人による国民健康保険料未納の防止策を講じる方針だ。出入国在留管理庁と連携し、滞納者は原則として在留資格の変更や更新を認めない仕組みを想定している。
日本の総人口に占める外国人比率は現在3%で、将来的に10%になるとの推計がある。それほどの水準になれば日本社会は大混乱に陥るだろう。自民党と日本維新の会は連立合意で、在留外国人に関する量的マネジメントを盛り込んだ。極めて重要な点であり、政府与党は量的規制の検討を始めるべきだ。
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2025年11月6日付産経新聞【主張】を転載しています
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