開会式で入場する日本選手団=11月15日午後、東京体育館(鴨川一也撮影)
This post is also available in: English
聞こえる人も聞こえない人も垣根を越え、誰もが個性を生かして力を発揮できる共生社会の実現に向けた「東京デフリンピック」が11月15日、開幕した。東京体育館(東京都渋谷区)で行われた開会式では、大会の理念を象徴するような演出が行われた。

午後4時半過ぎから、各国の選手は阿波おどりの太鼓やかねの音に迎えられ、約1時間かけて入場。高市早苗首相らのあいさつでは、国際手話通訳者と日本手話通訳者のペアによる同時通訳のほか、英語と日本語の字幕であいさつの内容がモニターに表示された。選手らは手話で意思疎通しながら、式の空気を楽しんでいた。
日本国旗の掲揚にあわせ、歌手の一青窈さんが君が代を歌唱した。その隣では和服姿の手話通訳者、江副悟史さんが両手を使い君が代の世界観を表現していた。


東京で開かれる今大会は100周年を記念する大会と位置付けられており、式典では「100年の1日」をテーマとしたアーティスティックプログラムが披露された。ろう者と聴者、大人と子供など、さまざまな立場の演者が無言のまま、体の動きだけで過去をたたえ未来へ希望をつなぐさまを表現し、光と音(振動)で感情に訴えかけた。
パフォーマンスを見ていた選手らが、声援に代えて手話をベースに開発された身ぶり、手ぶりによる応援「サインエール」を送る様子もみられた。

エンディングの拍手に包まれながら午後7時前、盛況のうちに開会式は終了。デフアスリートたちによる4年に1度の戦いが始まった。
(産経新聞)
This post is also available in: English

