北京市内に掲揚された中国の国旗
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企業の海外進出先で中国の重要度が新型コロナウイルス禍前と比べて大幅に低下したことが11月20日、帝国データバンクの調査で分かった。重視する割合が生産拠点としては3割、販売拠点としては5割も落ち込んだ。足元では高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発した中国政府の対抗措置が相次いでいるが、企業も「チャイナリスク」を受け止めて、中国依存からの脱却を模索する動きが広がっている。
政策変更で「安心して進出できない」
帝国データバンクの担当者は「中国のカントリーリスクに対する危機意識が強くなっている」と指摘する。
海外に進出した企業1908社に重視する進出先を聞いたところ、中国は生産拠点では16・2パーセント、販売拠点では12・3パーセントを占めていずれもトップだった。ただ、コロナ禍前の19年時点は生産拠点で23・8パーセント、販売拠点で25・9パーセントに上ったのに比べ、大幅に低下している。
回答企業からは「中国は情報を得るために法律を安易に変更するので、安心して進出できない」など、政治リスクを指摘する声が上がった。諜報活動への協力を組織や個人に義務付ける「国家情報法」の制定をはじめ、中国政府の一連の締め付けに警戒感が強まっている。また、不動産不況の長期化など中国経済の減速を懸念する声もあったという。
筆者:田辺 裕晶(産経新聞)
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