米パープレキシティのロゴ(ロイター=共同)
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生成人工知能(AI)を活用した検索サービスで、産経新聞社が所有する記事を無断利用し、著作権を侵害したなどとして、産経新聞社は12月1日、米新興企業パープレキシティに対し、厳重に抗議し、著作権侵害行為の即時停止などを求めた。法的措置も視野に厳正に対処するとしている。毎日新聞社と共同通信社も同日、同様の権利侵害があったとして、パープレキシティに、それぞれ抗議し、3社連名で共同声明を出した。
パープレキシティは対話型生成AI「チャットGPT」を開発した米オープンAIの出身者らが2022年に設立した。検索エンジンと生成AIにより、利用者の質問に対し、インターネット上の最新情報を収集して回答を作成するサービスを提供している。
産経新聞社は抗議書で、パープレキシティが利用者への回答の過程でニュースサイト「産経ニュース」と「サンスポ」の記事を無断で取得し、回答として出力していると指摘。労力と費用を投じて作成した記事に「ただ乗り」し、著作権法上の複製権と公衆送信権を侵害したとしている。
さらに、回答の参照元として、産経新聞社の社名などを示しながら虚偽の内容を表示し、産経新聞社の記事への信用を著しく損ねたとしている。
3社による共同声明では「野放図な著作権侵害などの違法行為に歯止めをかけなければ、民主主義の根幹を支える正確で健全な報道が破壊される危機感を持っている」などとする抗議理由を示している。
パープレキシティをめぐっては、読売新聞の東京、大阪、西部の3本社が今年8月、損害賠償などを求めて提訴した。朝日新聞社、日経新聞社も同様の訴訟を起こしている。米紙ウォールストリート・ジャーナルの発行元なども著作権侵害を主張し米国で提訴した。
(産経新聞)
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