中国上海市の映画館で、劇場版「鬼滅の刃」の上映前に記念撮影するコスプレ姿のファン=11月13日(共同)
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アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」の日本を含めた全世界の総興行収入が邦画で初めて1000億円を突破した。米メディアは日本アニメにはディズニーに匹敵する存在感があり、ヒットの背景には若者の好みの変化があると報じた。一方、日中関係の冷え込みにもかかわらず中国でも好調を維持。口コミサイトでは高評価が相次いでいるが、一部メディアは日本の「軍国主義」を持ち出して批判した。
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米国 ディズニーアニメに匹敵
「鬼滅の刃」は北米市場でも2週連続で週末興行収入首位を獲得するなど歴史的ヒットを記録している。米メディアは「驚きだ」と評しつつも総じて好意的に報道。かつては低く見られた日本のアニメが今では米国の若者の心をつかみ、ハリウッド全体で存在感を発揮するようになったと評価した。
米国とカナダの北米市場で公開されたのは9月。AP通信によると、初週の週末興行収入は推定7千万ドル(約108億円)を記録し、「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」(1999年)の3100万ドルを大幅に超え、日本アニメ映画の歴代首位となった。
「この数字はいかに映画の興行収入が予測不可能かを物語る。日本のアニメ映画が7千万ドルの初週興行収入を記録するとは誰が想像できただろうか」。あるアナリストはAPの取材にこう述べた。
なぜここまで数字が伸びたのか。APなどは、作品自体の人気が米国でも高く、ハリウッド大作が少ない9月公開という時期も絶妙だったと指摘。SNSの評判も良く、制作会社「ufotable(ユーフォーテーブル)」による美麗で迫力ある作画を見るために多くの人々が映画館に足を運んだと分析した。
筆者:本間英士、桑村朋(産経新聞)
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2025年12月8日付産経新聞【世界の論点】より
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