中国から例年多くの観光客が訪れる春節が間近に迫った。日中関係悪化に伴う観光客の落ち込みはすでに経験済みとして、耐性がついてきた観光事業者も多く、リスクに強い観光業の構築が進んでいる。
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訪日客で混み合う京都・清水寺近くの産寧坂=1月27日(大柳聡庸撮影)

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中国政府が日本への渡航自粛を呼びかける中、中国から例年多くの観光客が訪れる2月の春節(旧正月)が間近に迫った。今年の大型連休は2月15~23日で、中国からの訪日客数にも影響するとみられる。ただ、日中関係悪化に伴う観光客の落ち込みはすでに経験済みとして、耐性がついてきた事業者も多い。脱中国依存に向け「逆にチャンス」と捉える声や、台湾や韓国の旅行会社が訪日を促進する動きもあり、リスクに強い観光業の構築が進んでいる。

影響は限定的

中国政府が渡航自粛の呼びかけを始めた昨年11月以降、国内では中国客の減少が続く。日本政府観光局(JNTO)によると、同12月の中国人旅行客数は約33万人と前年同月比で約45%減少。中国外務省は1月26日にも春節に伴う大型連休に日本への渡航を自粛するよう改めて呼びかけた。

九州への訪日客数でも韓国に次いで中国が2位を占める。JR九州によると、昨年12月の外国人旅行者を対象とした列車乗り放題切符「JR九州レールパス」の中国人客への販売枚数は前年同時期の半分の約1400枚に落ち込んだ。同社が運営するホテルでも、春節期間の影響を見込む。

多くの訪日外国人観光客が訪れる太宰府天満宮の参道=福岡県太宰府市(一居真由子撮影)

それでも、古宮洋二社長は「影響はゼロではないが、経営を大きく左右する数字ではない」と言い切る。台湾や韓国などで営業を強化しており、「ホテルでキャンセルが出ても違う方が泊まれる。韓国などへのプロモーションでカバーしたい」と語った。

国内有数の温泉地・大分県別府市で外国人客も多く宿泊する大型ホテルによると、中国政府の呼びかけ以降、台湾や韓国の旅行会社が日本へのツアーを企画するなど支援の動きがあったという。

このホテルでは宿泊客全体のうち8%を中国人客が占め、予約が鈍るなどの影響はあったが、こうした支援に加え、中国からの個人客は一定数確保しており、春節時期もほぼ満室を維持している。ホテルの担当者は「影響を不安視する中で、台湾などの旅行会社の対応は心強かった」と感謝の思いを語った。

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筆者:一居真由子(産経新聞)

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