日本とインドの強固で健全な関係は、共通のビジョンを背景に、いま新たな勢いを得ている。両国が具体的な取り組みを進める中で、その成果はすでに明確な形となって表れている。
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インドと日本の国旗(Courtesy of IndBiz, an economic diplomacy division of the government of India)

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長年にわたる試練に耐えてきた日本とインドの強固で健全な関係は、文化交流の拡大、経済・技術協力の深化、そしてインド太平洋および世界の平和と安定に対する共通のビジョンを背景に、いま新たな勢いを得ている。友好関係の強化は、人的交流プログラムの拡充、日本からの投資拡大、先端技術分野での協力の進展に表れている。両国が関係強化に向けた具体的な取り組みを進める中で、その成果はすでに明確な形となって表れている。

2025年8月にインドのモディ首相が日本を訪問した際、当時の日本の首相であった石破茂氏は、日印関係がこの10年で大きく前進したと述べ、安全保障協力を重視しつつ、首脳会談を通じてパートナーシップをさらに高い次元へ引き上げる意向を示した。

「基本的価値を共有する日本とインドは、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の国際秩序を維持・強化する責任を共有している。国際情勢が一層不確実になる中で、日本とインドは地域の平和と安定を確保するため、力を合わせなければならない」と語った。

両首脳は、投資、製造、技術分野における二国間協力の成功を踏まえ、「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」をさまざまな分野で格上げしていくことで一致した。日本の外務省によれば、「両首脳は、日本とインドが互いの強みを生かし、次世代が直面する課題を解決するために必要な社会的・経済的価値を共創する、補完的な関係を築いていく」ことでも合意したという。

さらに2025年12月、モディ首相が高市早苗首相と会談した際、両国は「日印特別戦略的パートナーシップ」を前進させることで一致した。

G20に際し会談するインドのモディ首相と高市早苗首相=2025年11月23日、ヨハネスブルク(首相官邸)

「日印人的交流・協力行動計画」の下、今後5年間で50万人規模の双方向の人的交流が計画されている。両国は、相互理解の向上、文化・教育・草の根レベルでの交流促進、経済的に有益な補完関係の活用に加え、経済、技術、安全保障分野での協力強化を目標としている。

「今後数年に向けたロードマップを策定した。投資、イノベーション、環境、技術、保健、人的移動、人と人との交流、州・県レベルの連携といった分野に焦点を当てていく」とモディ首相は述べている。

首脳間で話し合われ約束された内容は、すでに現実の動きとして具現化しつつある。日本政府観光局(JNTO)はインドで「ジャパン・トラベル・フェア2026」を開催し、文化、食、祭り、旅行体験を通じて人と人とのつながりを深めている。また、日本は両国関係の起源を、6世紀に仏教が日本にもたらされた時代にまで遡って位置づけている点も注目される。

会談を終え、文書を交換するモディ首相と石破茂首相(当時)=2025年8月29日、首相官邸(首相官邸)

さらに、日印戦略対話の最新会合では、日本の外相である茂木敏充氏が、インドの外相S・ジャイシャンカル博士に、日本代表クリケットチームのユニフォームを贈呈した。ニューデリーの日本大使館で公使を務める安部憲明氏は、単なるスポーツ記念品ではなく、信頼、共通の価値観、そして従来の外交の枠を超えて関わろうとする意思を象徴するものだと述べた。「インド社会に深く根付いたスポーツであるクリケットは、今や両国を結ぶ意外でありながら力強い懸け橋になりつつある」と語っている。

インドを訪問し、ジャイシャンカル外相と握手する茂木敏充外相=1月16日、ニューデリー(外務省)

日印関係の改善には、中国の攻勢的な動きも影響している。台湾海峡をめぐる緊張、尖閣諸島周辺での摩擦、日本産水産物や日本人芸術家への制限などにより、日中関係は緊張を増している。防衛・安全保障協力に加え、インドは日本の投資家にとって広大な市場と信頼できる投資環境を提供している。「国際協力銀行(JBIC)が実施した日本企業向け調査では、インドは4年連続で海外事業展開先として最も有望な国に選ばれている」と茂木氏は述べた。

2023~24年度の二国間貿易額は210億ドルで、今年は251億7,000万ドルに増加した。日本は過去25年間で430億ドルに上る対インド直接投資を行っており、主要な投資国の一つである。さらに日本政府は、今後10年間で人工知能(AI)、半導体、スタートアップ支援や技術協力など、さまざまな分野に680億ドルを投資する計画だ。「製造業が日本の強みである一方、デジタル技術ではインドが先行しており、日本の産業界はこれを取り入れていく必要がある」と、日本貿易振興機構(JETRO)ニューデリー事務所の鈴木隆史所長は述べている。

日本が国内の労働力不足に対応するため、外国人高度人材の受け入れ政策を見直す中で、インドは有力な解決策となり得ると、グローバル・コンサルティング企業アキュメンのエグゼクティブ・ディレクター、サーガル・バハドゥール氏は指摘する。同氏は「若く、技能が高く、国際性を備えた人材層を持つインドは、日本にとって自然なパートナーになりつつある。日本とインドは、形式的な共同声明ではなく、人の着実な往来によって築かれる新たな段階のパートナーシップに入っている」と述べた。さらに「言語は異なるが、両国は相互の敬意、信頼性、そして黙々と物事を成し遂げる姿勢を共有しており、それが成功への基調を形作っている」と語った。

筆者:ペマ・ギャルポ(政治学者)

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