福島県の猪苗代湖で見られる「しぶき氷」。磐梯山を背景に、天神浜付近の湖岸で育つ氷の芸術だ。
磐梯山を背景にしたしぶき氷
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2008年1月27日付の産経新聞に掲載した連載「探訪」のアーカイブ記事です。名称などは掲載当時のまま。
あめ細工のように複雑に折れ曲がった氷を夕日に透かすと、黄金色に輝いた。球状の氷が樹木に幾重にも重なって成長した姿はまるでモンスターのようだ。生命力あふれる不思議な風景を見ていると、“氷の洞窟(どうくつ)”に迷い込んだかのような錯覚を覚える。

厳冬の猪苗代湖(福島県猪苗代町)で見られる「しぶき氷」。磐梯山を背景に、夏は湖水浴客でにぎわう天神浜付近の湖岸で育つ氷の芸術だ。

標高514メートル。不凍湖ながら気温は氷点下10度まで下がることがある。強風で舞い上がった波しぶきは岸辺の岩や樹木を覆い、厳しい寒気にさらされてさまざまな形の氷に姿を変える。
高い波しぶきが上がる護岸堤防の周辺には特に美しい氷の世界が出現する。時には4メートルを超える巨大オブジェに育って訪れる人たちを魅了する。


翼を広げた鳥、さまざまな動物、サボテン…。迫力と繊細さを兼ね備えた表情は実に豊か。引力に逆らうように斜め上に延びるつららには、常識を覆される思いだ。
(産経新聞)
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