Japan Whaling 004

Whale meat in Japanese food culture

 

自民党捕鯨議員連盟副幹事長の江島潔参院議員

 

日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退して6月30日で1年となった。昨年7月1日からは31年ぶりに領海と排他的経済水域(EEZ)での商業捕鯨が再開されたが、昭和40年度に約20万トンだった国内の鯨肉消費量は平成29年度には3千トンにまで減少し、需要拡大と採算確保が課題となっている。母船式捕鯨の基地である山口県下関市の元市長で、IWC脱退を推進した自民党捕鯨議員連盟副幹事長の江島潔参院議員に話を聞いた。

 

 

-IWCからの脱退には内外の批判があった

 

脱退に際して一番声高に批判をしたのは日本のメディアだった。『戦前の国際連盟脱退に通じる』『世界の孤児になる』『他の漁業資源の管理で、日本の発言力がなくなる』『(米国環境保護団体の)シーシェパードが妨害を強めてくるおそれがある』などと、考えられる悲観的な状況をすべて描きだしていた。しかし、そうしたことは全く起きていない。少なくとも現時点において、脱退により日本がすごく不利になったということはない。

 

-今後のIWCとの関わり方は

 

IWCには投票権はないが、発言権はあるオブザーバーとして参加する。総会に先立って開かれる科学委員会には今後も科学調査のデータを提供していく。カナダも同じオブザーバーの立場で、ノルウェーやアイスランドは一度、IWCを脱退した後、再び参加した。しかし、IWCが鯨の『保護』と『持続的な利用』という本来の2つの目的を果たす組織にならない限り、日本が参加することはおそらくないだろう。国際捕鯨委員会ではなく、国際鯨類保護団体へと変わってしまい、もはやIWCではないというのが今の日本の考え方だ。

 

-鯨肉供給量の少なさや採算の確保が商業捕鯨の課題となっている

 

鯨肉の消費量が昔に比べて少ないのは事実だ。調査捕鯨になって捕る量が限られ、値段が高くなってしまったため、鯨肉は、どの肉よりも高い高級肉になり、珍味的な扱いとなっている。ただ、血抜きを後回しにする調査捕鯨とは、(商業の鯨肉は)おいしさが本当に違う。鯨の肉質が違うこと、おいしさをしっかりPRしていかないといけない。捕獲量をもう少し増やす体制を作り、鯨肉を食文化として広げていくことに力を入れていくべきだ。

 

聞き手:原川貴郎(産経新聞)

 

 

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