ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)を運営するユー・エス・ジェイ(同)は11月30日、任天堂の人気キャラクター「マリオ」が登場する新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の開業日を来年2月4日にすると発表した。当初、東京五輪・パラリンピックに合わせ今夏の開業を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来春に延期するとしていた。
新エリアは任天堂のゲームに登場する建物や乗り物を再現し、ゲームの世界を等身大で体験できる。開業日の発表に合わせ、一部が報道陣に初公開された。
公開されたのは、マリオの宿敵「クッパ」が潜む「クッパ城」や、城内にある、世界初の「マリオカート」をテーマにした乗り物型アトラクションの一部。
城内は巨大なクッパ像をはじめ、カメ族のクッパをイメージした甲羅模様の床、とがった鉄柵などが置かれ、高揚感を誘う重厚感のある造りとなっている。
乗り物型アトラクション「マリオカート~クッパの挑戦状~」は、カートの乗り場が披露された。4人乗りのカートで、乗車時はヘッドセットを頭にはめてハンドル操作を楽しめるようにし、拡張現実(AR)や映像を投影するプロジェクションマッピングなども駆使している。
「マリオカート」のアトラクション制作を担当した、エグゼクティブ・プロデューサーのトーマス・ギャラティ氏は「革新的な技術によってゲームの世界を全身で体験できる」と自信を見せた。
新エリアはUSJとして過去最大となる600億円超を投じて建設した。ヒロインが住む「ピーチ城」や、人気キャラクター「ヨッシー」の乗り物型アトラクションも予定されている。
開業日を2月に決めた理由について、USJの担当者は「施設の準備が整ったため」とし、「来春」としていたスケジュールの前倒しとはとらえていないとの認識を示した。
平成26年に開業した「ハリー・ポッター」エリアと同様、混雑が予想されるため「(整理券を配るなど)新エリアの入場制限を行うことになる」としている。
だが、足下では感染の「第3波」が押し寄せている。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「(開業予定の)2月はまだ感染リスクの高いとされる寒い時期。感染拡大と開業のタイミングが重なると集客しづらくなる」と懸念する。世界でも新型コロナウイルス感染が再拡大しており、戦略通りに集客できるかは不透明だ。