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春日大社(奈良市)は4日、羽を広げたツルが枝に止まる姿を表した金銀製の小型模型で国宝の「金鶴及銀樹枝(きんつるおよびぎんじゅし)」(平安時代)の復元品を報道陣に公開した。きらびやかな王朝文化がうかがえる当初の姿がよみがえった。
小型模型は春日大社の摂社、若宮神社に伝わり、創建期に貴族らが奉納したと考えられている。現在は春日大社の国宝殿で保管されている。
若宮神社の20年に1度の修理「式年造替(しきねんぞうたい)」に合わせて同神社に奉納するため、彫金の人間国宝、桂盛仁(かつらもりひと)さんらに制作を依頼した。国宝の金のツルは1羽だが、雌雄での表現が通例であるため約5・5センチの2羽を制作。水辺をかたどった台も組み合わせた。
花山院弘匡(かさんのいんひろただ)宮司は「当時の技術の高さが分かる復元品となった」と話した。