日本の若者の声を世界に発信する「Ignite」。第7回は2024年の「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」英語エッセイ中学生部門で優秀賞を受賞した顧梓訳さんの「A first step to solve the abduction issue」を紹介します。
Ignite Zui Gu

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日本の若者たちの「声」を世界に届けるJAPAN Forwardの企画「Ignite」の第7回。今回は2024年に開催された北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールで英語エッセイ中学生部門の優秀賞を受賞した、板野町板野中学校2年(受賞当時)、顧梓訳(ぐ・ずい)さんの「A first step to solve the abduction issue」を掲載します。

[受賞作品は上の (This post is available in English) のリンクをクリックしてください。]

拉致問題に関するシンポジウムで優秀賞を授与される顧梓訳さん=2024年12月14日(Screenshot)

[和訳]

拉致問題解決への第一歩

北朝鮮による拉致は許せない。もし私が横田めぐみさんのご家族だったら、そんな状況に絶望せずにはいられないだろう。横田めぐみさんのご家族は、最愛の娘を「拉致」という理不尽な方法で失い、それ以来、めぐみさんの消息を知ることはなかった。しかし、彼らは決してあきらめず、彼女を取り戻すために様々な行動を起こしている。

私はそれまで拉致問題について何も知らなかった。今年、中学生サミットに参加することになり、そのことを学んだ。拉致問題について、その実態と深刻さを知った。他の中学生はどうだろうか?拉致問題を聞いてどう思うのか?興味を持たず、「ふーん、それで?」となると思う。恐らく知らないだろうし、自分には関係ないと思うかもしれない。

拉致問題を知らない人、自分には関係ないと思っている人が多いことが大きな問題だと思う。まずはその問題を解決すべきだと考える。だから、「知らない」から「聞いたことがある」に変えていくことが一番大事だと思う。

そのためには、インターネットやSNSを使って、拉致問題に関する情報を発信したり、受け取ったりすることが一番効果的だと思う。最近はスマートフォンが普及し、私の同級生もほとんどスマートフォンを持っている。インターネットを使って拉致問題を発信することで、より多くの、会ったことのない人にも拉致問題を知ってもらうことができる。一人ひとりに話すよりも簡単な方法ではないだろうか。しかし、インターネットやSNSを使ってメッセージを送ると、反論されることもある。でも、みんなで議論すれば、それを多くの人が見てくれる。そうすれば、その問題を知る人が増える。議論することで関心も深まる。そして、「拉致問題は自分たちの問題だ」というメッセージを発信する。この考え方は特に重要だと思う。

「そんな方法で問題を解決できるのだろうか?」と思う人がいるかもしれない。 答えは「ノー」かもしれないが、私たち中学生にはそれで十分だ。日本政府が発行した拉致問題に関する広報誌を読んだ。その中で、「拉致問題を解決するために、私たち日本人は何ができるのか」という問いに対して、「日本人一人ひとりが、拉致を絶対に許さない、拉致被害者を必ず一刻も早く取り戻すという強い決意を表明することが、拉致問題解決の力強い支えになるはずです」と答えている。

拉致被害者の早期救出を求める署名を呼び掛ける家族会の横田拓也さん(右から3人目)ら=4月26日午前、東京都中央区(関勝行撮影)

拉致は過去にあったことだが、現在進行形の問題で、まだ解決していない。私たちのような若い世代にこの問題を伝えるには、インターネットやSNSを使うのが一番効果的だと思う。それを使って国境を越えて情報を伝えることができる。だから、日本人だけでなく、世界中の人にこの問題を知ってもらいたい。私の考えが拉致問題の解決に少しでも貢献できればうれしい。

顧梓訳さんのコメント

拉致が自分の街で起こる可能性は0ではありません。だから、拉致問題を自分の
こととして認識することが、問題解決への第一歩ではないでしょうか。

■北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール
政府拉致問題対策本部では全国の中高生を対象に、拉致問題関連の映像作品、舞台劇の視聴や拉致問題関連書籍の読書等を通じて拉致問題を知ってもらい、拉致被害者や拉致被害者御家族の心情を理解するとともに、拉致問題解決のために自分に何が出来るのか、何をすべきかについて深く考える機会とすることを目的として、北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールを実施しております。詳しくはhttps://www.rachi.go.jp/jp/shisei/sakubun.htmlをご覧ください。

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