
フレルスフ大統領夫妻と会見される天皇、皇后両陛下=7月8日午前、モンゴル・ウランバートル
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天皇、皇后両陛下は7月6日、モンゴルを公式訪問するため羽田発の政府専用機にご搭乗。同日、ウランバートルに到着された。
天皇陛下は7日、古代から現代のモンゴル史を展示したチンギスハン国立博物館をご視察。「統制のシステム、馬の役割、水の確保方法などについても理解できて大変興味深かった」と感想を述べられたという。

その後、首都への水の供給を担うウランバートル市上下水道公社とガチョールト水源にも足を運ばれた。

両陛下は8日、先の大戦後にモンゴルで抑留され亡くなった日本人の慰霊碑に供花された。黙禱(もくとう)後に朝から降り続いた強い雨がやみ、お二方は傘を閉じて再び慰霊碑に向かい静かに黙禱を重ねられた。
両陛下は、父が抑留中に亡くなった鈴木富佐江さん(88)に「お父様は本当におかわいそうでした」とお声がけ。悲劇を次世代に伝える決意を語る鈴木さんに「お体を大切に、ぜひお願いします」と励まされたという。

両陛下は同日、国賓としてウランバートル中心部のスフバートル広場での歓迎式典や政府庁舎での大統領夫妻との会見、夫妻主催の晩餐(ばんさん)会などの公式行事に臨まれた。歓迎式典では出迎えたモンゴル出身の大相撲元横綱の朝青龍さん、白鵬さん、日馬富士さんと歓談される一幕もあった。


天皇陛下は晩餐会のお言葉で、「先人たちの歩みを受け継ぎ、広大な土地にまかれた協力の種が多くの花を咲かせてほしい」と、両国の若い世代への期待を述べられた。また、モンゴル国立馬頭琴交響楽団とビオラで協演し、「浜辺の歌」などを奏でられた。

陛下は9日午前、日本の高等専門学校(高専)を参考に開校したモンゴルコーセン技術カレッジをご視察。午後には、皇后さまとともにウランバートル市第149番学校で生徒と交流された。その後、モンゴル日本病院を視察し、日本の大学へ留学経験がある医師らをねぎらわれた。

陛下は10日、日本式教育を取り入れた総合学園「新モンゴル学園」で日本語の授業をご視察。「本当に高い志を持って取り組んでいる姿をとても嬉しく思います」と生徒らをたたえられた。その後、モンゴル仏教界の中心的寺院「ガンダン寺」を訪れ、観音像や仏像を熱心にご覧になった。
秋篠宮さまは8日、東京都江東区の日本科学未来館を訪れ、第27回日本水大賞の表彰式に臨まれた。秋篠宮さまは日本水大賞委員会の名誉総裁を務められている。老朽化した農業用水路の保全に向けた活動で大賞に選ばれた高校生と懇談し「利用している人にとっては非常に喜ばしいこと」とねぎらわれた。


高円宮妃久子さまは6日、都内で開催された高円宮杯全日本中学校英語弁論大会決勝大会に臨席された。7日には2025年大阪・関西万博を訪れ、フィンランドやポーランドなどのパビリオンをご視察。8日にはカタールのナショナルデーの式典に臨まれた。9日は都内で開催された「健康ハート・シンポジウム」に臨席し、「全世代を通じた心臓病の予防・啓発がより一層求められております」と述べられた。久子さまはシンポジウムを共催する日本AED財団と日本心臓財団の名誉総裁に就任されている。
久子さまは10日、72歳の誕生日を迎えられた。
筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)
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2025年7月11日産経ニュース【皇室ウイークリー(905)】を転載していますn
【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。
また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。
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