産経新聞の宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。
GNHUETGBKNLYTFROPBCUP5FUZ4-min

須崎御用邸で静養するため伊豆急下田駅に到着し出迎えた人々に声をかけられる天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=8月1日午後、静岡県下田市

This post is also available in: English

天皇陛下は8月1日、皇居・宮中三殿で、国民の安寧を祈る宮中祭祀(さいし)「旬祭」に臨まれた。第218回国会の開会式にもご臨席。モーニングの正装で国会議事堂(東京都千代田区)を訪れた陛下は、議員らを前に「国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」とお言葉を述べられた。

国会の開会式で、お言葉を述べられる天皇陛下=8月1日午後、参院本会議場

その後、陛下は静養のため、皇后さま、長女の敬宮(としのみや)愛子さまとともに、須崎御用邸のある静岡県下田市へ入られた。特別列車が到着した伊豆急下田駅(同市)で、天皇ご一家は出迎えた人々に手を振り、にこやかに言葉を交わされた。

陛下は、7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震の影響について「津波があったか、分かりましたか」などと気遣われた。皇后さまは、下田の海について「浜がきれいでとても楽しみにしています」とほほ笑まれたという。

須崎御用邸で静養するため伊豆急下田駅に到着された天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=8月1日午後、静岡県下田市

天皇、皇后両陛下は6日午前、広島原爆の日に当たり、須崎御用邸でご黙禱(もくとう)。5日、他の日程のため一足先に帰京した長女の愛子さまは、皇居・御所で黙禱された。

上皇ご夫妻も、お住まいの仙洞(せんとう)御所(東京都港区)で現地の式典の様子をテレビで見守り、投下時刻に合わせて黙禱された。上皇さまは皇太子時代の会見で「記憶しなければならない」4つの日として広島原爆の日、沖縄で組織的戦闘が終結したとされる慰霊の日(6月23日)、長崎原爆の日(8月9日)、終戦の日(同15日)を挙げられており、両陛下も、皇太子同妃時代から戦没者を悼み、黙禱をささげられてきた。

両陛下は7日、静養先の須崎御用邸から帰京された。

秋篠宮妃紀子さまは7日、墨田区の総合体育館で、第10回全国ボッチャ選抜甲子園決勝大会を観戦された。ボッチャは障害者向けに考案された競技で、球を投げたり、転がしたりして目標球への近さを競う。

第10回全国ボッチャ選抜甲子園決勝大会で、選手と懇談される秋篠宮妃紀子さま=8月7日、東京都墨田区

紀子さまは、報道陣の問いかけに「選手が一生懸命プレーする姿を見て、うまくいかないことも、貴重な経験として成長につながっていくのではと感じました」と、感想を述べられた。観戦後には、大会に出場した特別支援学校の生徒とご懇談。「応援が力になりましたね」などと声を掛けられた。

第10回全国ボッチャ選抜甲子園決勝大会を観戦される秋篠宮妃紀子さま=8月7日、東京都墨田区

三笠宮家の彬子さまは2~4日、第46回全国中学生選抜将棋選手権大会に臨席するため、山形県を訪問された。彬子さまは大会の名誉総裁を務められている。

三笠宮家の瑶子さまは1日、東京都千代田区のホールで「水の日」を記念する行事「水を考えるつどい」に臨席された。

高円宮妃久子さまは1日、自身が撮影した野鳥などの写真展のオープニング・レセプションに臨席するため、長野県を訪問された。写真展のテーマは「信州と野鳥」で、久子さまが長野の自然の中で生きる野鳥の四季折々の姿を撮影された作品が並ぶ。

久子さまは7日、「第56回全国ママさんバレーボール大会」に臨席するため愛知県に入られた。久子さまは、大会を主催する全国ママさんバレーボール連盟の名誉総裁を務め、大会を見守られてきた。

筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)

2025年8月8日産経ニュース【皇室ウイークリー(909)】を転載しています

皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。

This post is also available in: English

コメントを残す