昼間とは違った雰囲気に包まれた、夜の大阪・関西万博会場を散策。
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日が沈み、パビリオンや大屋根リングが光を放ち始めた大阪・関西万博会場=7月30日午後7時26分、大阪市此花区

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強い日差しを地上に浴びせ続けた太陽が、遠くの空にわずかな朱色の名残を見せながら遠ざかる。日没から約20分。大阪・関西万博会場(大阪市此花区)で、特徴的な造形のパビリオンが光に彩られて浮かび上がってくる。昼間とは違った雰囲気に包まれた、夜の会場を散策した。

足を止め、花火を見上げる来場者たち

「世界最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された大屋根リング。闇に包まれた周囲の景色が視界から消えると、格子状の木組みが果てしなく続くさまが、より際立って見える。

ベルギー館(左)やシンガポール館の球体など、ライトアップされた夜ならではの景色

リングに面したウォータープラザの水上ショーが終わり、静かになった水面にリングが映り込む姿も神秘的だ。海風が心地よく、つい見とれてしまう。

ウォータープラザの水面が静まると、大屋根リングがきれいに映り込む

東ゲートに近い大阪ヘルスケアパビリオンの野外飲食スペース「リボーンテラス」は夜、提灯(ちょうちん)が点灯してお祭りムードに。飲食物を購入できる同館の「ミライの食と文化」エリアでは、一部店舗が午後9時半まで時間延長。

西ゲート近くには夕日を眺めながら食事ができる「サンセットビアテラス」が7月下旬にオープンし、開放的な雰囲気で夜の食事を楽しめる場所が増えている。

夜の「リボーンテラス」を彩るミャクミャクの提灯

東京都内のIT企業勤務の女性(43)は6月下旬の大阪出張時に初めて訪れ、「楽しすぎて夏パスを買いました」。毎週のように大阪に出張があり、仕事が終わると万博会場へ。

オランダ館の球体は、光ることで浮遊感が増したように感じる

「すぐに夕日が見られ、歩いているうちに涼しくなってきていいですね。夜は人が減るので、並ばずいろいろ入れますよ」。パビリオンの予約をしたことはないというが、スタンプ帳には既に47個が押印されていた。

午後5時以降しか入場できなかった夜間券は現在、「トワイライトキャンペーン」で1時間前の4時から入場が可能だ。「暑さの和らぐ夕方や夜の万博の魅力を楽しんでいただきたい」と日本国際博覧会協会の担当者。

夜風に吹かれ、足が前へ前へと進む。ドローンショーや花火で足を止め、空を見上げるのもちょうどいい小休止。

夜景を見て回るだけで時間がたつのを忘れてしまう、楽しい夜の世界旅行だった。

筆者:門井聡(産経新聞写真報道局)

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