日本酒の「獺祭」を製造する旭酒造が、「月で造る酒の味」を確かめるべく、宇宙での日本酒醸造に今秋から挑む。そのこだわりとは―
Dassai Space2

DASSAI MOON - Made in Space (©Asahi Shuzo)

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「月で造る酒は、どんな味がするのだろう。」日本酒の「獺祭」を製造する旭酒造(本社・山口県岩国市)が、これを確かめるべく、宇宙での日本酒醸造に今秋から挑む。もちろん世界初の大実験である。それに先立つ2月19日(火)から1週間、伊勢丹新宿店では、イベント「獺祭 ザ・ステージ」を開催し、人類初の宇宙醸造酒の予約販売を行う。なぜ、「獺祭」は宇宙にまでこだわるのかー。

17日に公表された計画によると、この実験は、人類が月面で生活する未来、月面での獺祭醸造を念頭に置いたものだ。国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で、地球から打ち上げた酒の材料を地球の1/6である月面の重力環境を模した醸造装置内でお酒のもととなるもろみ(520g)を発酵。地上で、分析に必要な量を除き、グラス1杯分を製造し、販売する計画だ。

自社の日本酒「獺祭」を手に宇宙への夢を語る旭酒造の桜井博志会長と桜井一宏社長=2月17日(©JAPAN Forward、内藤泰朗撮影)

この「獺祭MOON-宇宙醸造」1本限定(100ml)のお値段は、1億1千万円(税込み)で、その売上は全額を今後の宇宙開発事業に寄付する。すでに問い合わせは来ており、複数の希望があった場合、抽選になるという。

伊勢丹新宿店ではこのほか、期間中、米国で醸造された「DASSAI BLUE」の特別限定品や、日本を代表する作曲家、久石譲さんを漫画家の弘兼憲史さんが描いたイラストラベルの限定ボトルなども販売するという。

久石譲さんを描いたイラストラベルの限定ボトル(旭酒造提供)

旭酒造の桜井博志会長は17日、報道関係者に対し、「日本から世界にプレミアム・ブランドが出ていかなければならない。日本酒にはそれだけの力があることを示したい。若い造り手に夢を与えることにもなる。私たちは年間1千億円の売上を目指しています。宇宙醸造はそのための一歩です。これからの獺祭の挑戦をぜひ見ていただきたい」と語った。

(JAPAN Forward)

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