天安門事件翌日の89年6月5日、広場の近くで戦車の行く手を遮った男性は中国民主化運動の象徴となった。施行から5年となった香港国家安全維持法はいわば、香港に進駐した〝目に見えない戦車〟。香港にも戦車の前に立ちはだかる人々がいた。国安法の下で自由が奪われ、一国二制度が死んだ香港社会の変容ぶりを浮き彫りにする。
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デモ関連の収監者や出所者を支援する麥翠兒氏(手前)と尤思聡氏=香港・如一事務所

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6月初め、2カ月前に刑務所から出てきたばかりの男性(45)に会った。2019年の反政府デモで最も激しい攻防となった香港理工大から学生たちを車で救出しようとして逮捕、禁錮22月の判決を受けた。

――今は何の仕事を?

「洗車やエアコン掃除、荷物運びなどの仕事をかき集めて、仲間と分け合っている」

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筆者:藤本欣也(産経新聞)

2025年7月1日付産経新聞【「戦車」に立ちはだかる香港人 国安法施行5年⑤】より

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