西武池袋線の江古田駅から徒歩10分ほどの住宅街の中に、「昭和レトロ」を感じられる銭湯「江古田湯」がある。昭和45年の創業以来、薪でお湯を沸かすことにこだわっている。
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薪でお湯を沸かす「江古田湯」三代目の法橋広歩さん。「やわらかいお湯」になるという(関勝行撮影)

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路地に一歩入ると、昔懐かしい学生街の雰囲気が残る東京・江古田。西武池袋線の江古田駅から徒歩10分ほどの住宅街の中に、「昭和レトロ」を感じられる銭湯「江古田湯」がある。

常連客に応対する「江古田湯」三代目の法橋広歩さん(関勝行撮影)

午後2時半の開店と同時に、常連客達がお店に入っていく。湯気をたてる浴槽に浸かると、熱さでピリッとした後に、肌になじむ感覚があった。

開店前に念入りに掃除をする法橋広歩さん(関勝行撮影)

「薪で沸かしていて、やわらかいお湯になっています」と説明するのは、三代目の法橋広歩(ほっきょう・ひろむ)さん(26)。昭和45年の創業以来、平成を経て令和になった今も、薪でお湯を沸かすことにこだわっている。

家族的な雰囲気を大切にし、古き良き銭湯の姿を守る江古田湯は、地元の人から遠方の客まで幅広く親しまれてきた。各家庭が風呂を備えるようになったいまでは、「銭湯通い」はノスタルジーを感じる手段の一つ。若者にとっては、手軽に昭和を味わえる場所にもなっている。

住宅街の中で昭和レトロを感じられる銭湯「江古田湯」の浴室(関勝行撮影)

しかし、銭湯にはもう一つ大切な役割がある。薪とガスを併用してお湯を沸かせる江古田湯は、「災害時に電気が止まっても、お湯を沸かして、地域の人を助けることができる」と法橋さん。

「初めて来るお客さんには、レトロで懐かしい銭湯文化と、地域での銭湯の役割の両方を知ってほしい」と、番台で常連客をもてなしつつ、話してくれた。

筆者:関勝行(産経新聞)

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