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食堂「北斗星」の「駅長」の徳弘郁雄さん =千葉県鴨川市(安元雄太撮影)

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クリーム色を基調に、赤いラインが走るボディー。鉄道ファンにはおなじみの「国鉄特急色」の食堂が、同じカラーリングを施した特急「わかしお」138系車両が走っていた千葉県鴨川市にある。

家屋を改造し列車に模した食堂「北斗星」。「特急わかしお号」をモチーフにしたカラーリングだ =千葉県鴨川市(安元雄太撮影)

「駅長」は本物の新幹線食堂車コック

「北斗星」は平成24年オープン。「食堂車」の看板がかかっているが、「駅長」の徳弘郁雄さん(54)は実際に0系新幹線食堂車のコックだった。

内部には、鉄道模型をはじめ、国鉄時代の車内扇風機や非常用ハンマーなど、徳弘さんが集めたグッズがずらり。撮り放題なので「いちいち許可をとらなくてもいい」という。

0系新幹線グリーン車のシートはリクライニングも可能で、わざわざこの席に座るのを目当てに来店する「鉄ちゃん」もいるとか。

内部だけでなく、外壁に取り付けられた行先表示板は「団体」や「臨時」、「千葉」や「勝浦」に「安房鴨川」など変更可能で、警笛の「タイフォン」も実際に鳴るというこだわりよう。客の9割が鉄道ファンというのも納得だ。

食堂「北斗星」の〝車内〟。左側の座席は0系新幹線グリーン車、右側の座席はE1系新幹線グリーン車のもので、いずれもリクライニング可能 =千葉県鴨川市(安元雄太撮影)

「北斗星」を検索してヒットすれば…

鴨川市出身の徳弘さんが北斗星をオープンしたのは、東日本大震災の翌年。当時、千葉県茂原市の職場へJR外房線を使って1時間以上かけて通っていたが、震災で間引き運転となりさらに時間がかかることに。心機一転、実家を大改装し高校時代からのコレクションを運び込んだ。

食堂「北斗星」に飾られたコレクション =千葉県鴨川市(安元雄太撮影)

店名は上野と札幌を結んでいた寝台特急「北斗星」から。徳弘さんも20回以上乗るほどのファンだったが、「宣伝費用もなかったから、『北斗星』を検索した人にうちがヒットするかなと思って」と振り返る。

以前はクリーム色にブルーのラインという583系車両の塗装だったが、「夕方になると目立たない」という理由で現在の姿に。

食堂「北斗星」の内部には「駅長」の徳弘さんが集めたコレクションが飾られている =千葉県鴨川市(安元雄太撮影)
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毎日休みなく〝運行〟

メニューは、たこ焼きや焼きそば、カツカレーにまぐろたたき丼など約20種。各種アルコールも取りそろえ、JRオリジナルワインも飲める。もちろん車を運転する人には提供しない。

毎日休みなく〝運行〟している徳弘さんは「体力の限界。鉄道好きな人に継いでほしい」と笑う。「北斗星は引退まで27年間走ったから、うちも27年はやりたいな」

筆者:安元雄太(産経新聞)

☆ ☆ ☆

営業時間は午前11時から午後7時まで。午後7時以降は予約制。貸し切りも可能。4月1日から10月31日までは、予約すれば海を望むテラス席でバーベキューも楽しめる。問い合わせは北斗星(☎04・7094・5774)。

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