トランプ米大統領の関税政策で同盟国が米国離れしつつある。日本は基盤を強化しなければならない。
Trump Tariffs

米ホワイトハウスで大統領令を掲げるトランプ大統領=4月2日、ワシントン(ゲッティ=共同)

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トランプ米大統領の関税政策で欧州、カナダなど年来の同盟国、さらに東南アジア諸国連合(ASEAN)が米国離れしつつある。中国の習近平国家主席は挽回の好機と見て早速ベトナム、マレーシア、カンボジアを4月中に訪問する。中国のからめ捕り戦略は日韓にも及ぶ。非常にまずい状況だ。だからこそわが国は今、日本国の基盤を強化しなければならない。

だがトランプ関税を前に石破茂首相の無為無策が目立つ。相互関税が発表されると、4月4日には共産党まで入れた野党との党首会談を開催した。共産などに何の知恵を求めようというのか。石破首相誕生の仕掛け人、岸田文雄前首相は「首相の努力も動きも見えない。言われるままに(関税を)受け入れて中小企業を助ける、では情けない」と厳しい評価を下した。

どれほど世界経済に大損失を生じさせようが、トランプ氏は「私の政策は決して変わらない」と発信する。氏を止められる人間はおらず、氏の政治基盤が明白に脅かされるときまで関税戦争は続くだろう。わが国も国家の命運をかけて素早く積極攻勢に出る必要がある。そのとっかかりは2日の演説に見てとれる。

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筆者:櫻井よしこ

2025年4月7日付産経新聞【美しき勁き国へ】より

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