
北海道の釧路湿原国立公園の周辺で進んでいる大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設=8月12日(「猛禽類医学研究所」の斉藤慶輔代表提供動画から)
This post is also available in: English
北海道の釧路湿原国立公園(釧路市など)周辺の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設に危機感を表明したアルピニストの野口健さんが産経新聞のインタビューに応じ、「森を伐採することがエコ(環境にやさしい)なのか」と批判した。インタビューの詳報は以下の通り。
◇
どこでも地元は悲鳴
メガソーラーの問題は、どこに行っても地元の人たちが悲鳴を上げている。僕の事務所に「一緒に何とかしてほしい」と訴えがくるようになり、平成31年に東京で「全国メガソーラー問題中央集会」を開催し、全国で起きている問題について話し合った。
SNSなどで何度もメガソーラーを取り上げてきたが、今回は圧倒的に反応が大きく、びっくりしている。「釧路湿原」はインパクトがある上、色々な人の不満、不安がたまりにたまっていたのではないかと思う。
業者は法令にのっとって進めており、止めることは難しいと思うが、(現場動画を公開した)猛禽(もうきん)類医学研究所の斉藤慶輔代表から連絡をいただき、声をあげようとなった。
(タレントの)つるの剛士さんも釧路に来てくれることになったので、できれば現地で記者会見をしたい。斉藤さんとは釧路で全国大会をやりたいと話している。民間団体だけではインパクトが弱いので、「ノーモア メガソーラー宣言」をした釧路市とも連携する形にしたい。

森を伐採し、地形を変えてしまうことが、本当にエコなのか。ドイツでは施設建設で木を伐採するなら、6倍の森を作るなど極めてハードルが高い。日本はそういう法整備をしないまま、メガソーラーの整備が進んでしまった。原発事故がひとつのきっかけになったと思うが、さまざまなルール、制限を設ける必要がある。
パネル放置の危機感
外資企業が手掛ける施設では、耐用年数を超えた廃棄パネルを片づけてくれるのかという部分も見えない。発電した電気を電力会社が買い取る現行の制度は半永久的なものではないと思っていて、電力会社が「もう買い取らない」となってもうからなくなったとき、パネルが放置されるのではないかという危機感がある。
メガソーラーがいけないと言っているわけではなく、法整備をしないまま荒波の勢いでさらに広がってしまったとき、どうなるのかという話だ。
みんなで一緒に考え、国民的な議論になれば、国も動かざるを得ない状況になる。
聞き手:坂本隆浩(産経新聞)
This post is also available in: English