産経新聞社とFNNが実施した合同世論調査で、自民、公明両党が大敗し与党過半数割れとなった参院選を受け、石破茂首相が辞任すべきかを尋ねたところ、「辞任しなくてよい」が過半数に達した。
Shigeru Ishiba

首相官邸に入る石破茂首相=8月1日午前(春名中撮影)

This post is also available in: English

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は8月23、24両日、合同世論調査を実施した。自民、公明両党が大敗し与党過半数割れとなった参院選を受け、石破茂首相(自民総裁)が辞任すべきかを尋ねたところ、「辞任しなくてよい」が前回調査(7月26、27両日実施)比7・7ポイント増の51・9%で、過半数に達した。「辞任すべきだ」は同6・3ポイント減の41・4%だった。

石破内閣の支持率は同4・2ポイント増の38・8%で、不支持率は同3・2ポイント減の57・1%だった。自民内で出ている、党総裁選の前倒しなど首相交代に向けた動きに関しては「支持する」が43・4%、「支持しない」が48・7%で意見が二分した。

戦後80年に合わせた石破首相の見解表明については「賛成」が61・4%を占め、「反対」の28・9%を大きく上回った。

コメの安定的供給に向け、首相が生産量を増やす方針を決めたことに対しては、82・0%が「支持する」と答え、「支持しない」は14・0%にとどまった。

ガソリン税の暫定税率廃止の時期を巡っては、「早く廃止すべきだ」が48・3%、「急がずに廃止すべきだ」が33・2%、「廃止すべきでない」が15・4%だった。

首相官邸に入る石破茂首相=8月25日午前(春名中撮影)

立憲民主支持層や高齢層で「辞任しなくてよい」7割超

自民や立憲民主党の支持層は7割以上が石破茂首相の続投を支持し、国民民主党や参政党の支持層では続投に否定的な声が強い。年代別では高齢層ほど続投支持が多く、辞任論が強い若年層との温度差がくっきり表れた。

調査では、自民支持層の80・9%が石破内閣を「支持する」と答え、「支持しない」は16・7%。立民支持層は支持48・9%、不支持47・4%と拮抗(きっこう)した。一方、無党派層では支持31・5%、不支持61・7%だった。

首相の進退に関しても、自民支持層の76・5%、立民支持層の75・4%が「辞任しなくてよい」と答えた。公明党や日本維新の会支持層の約6割、共産党支持層も約5割が首相の続投を支持した。

これに対し、国民民主党や参政党の支持層では石破内閣への不支持が大半を占め、それぞれ8割以上が「支持しない」、6割以上が「辞任すべきだ」と答えた。

年代別の傾向もくっきり表れた。70歳以上の68・4%が石破内閣を「支持する」、70・6%が「辞任しなくてよい」と答えた。一方、18~29歳では87・8%が「支持しない」、67・6%が「辞任すべきだ」と回答した。

所属議員と温度差

党所属議員の間では衆参両院で与党過半数割れの事態を招いた首相の責任を追及する声が上がるが、支持層との間で温度差があらわになった。首相に厳しい視線を向ける層は、すでに自民支持から離れたことを示す数字ともいえそうだ。

立憲民主党支持層でも72・1%が総裁選前倒しの動きを「支持しない」と答え、共産党や日本維新の会支持層も5割超が不支持だった。国民民主党や参政党の支持層では、総裁選前倒しの動きを支持する声が多数派だった。

自民は近く、党総裁選挙管理委員会(逢沢一郎委員長)の会合を開き、臨時総裁選の実施をめぐる所属国会議員や都道府県連への意思確認について、記名か無記名かを含めた具体的な方法を決める。参院選の敗因を検証する総括委員会が9月上旬に報告書を取りまとめ次第、選管が意思確認を始める見通し。

記者団の取材に応じる参政党の神谷宗幣代表=7月3日午前、東京都中央区(奥原慎平撮影)

政党支持率 参政が野党第1党に

「日本人ファースト」を掲げ参院選で躍進した参政党が政党支持率で9・9%となり、自民党に次ぐ2位につけ、国民民主党を上回って「野党第1党」に浮上した。30、40代ではそれぞれトップだった。

政党支持率は自民が22・2%でトップ。続いて参政9・9%、国民民主9・3%、立憲民主党5・2%、公明党4・2%、日本維新の会4・0%、れいわ新選組3・9%、共産党2・8%、日本保守党2・4%、チームみらい1・0%、社民党0・3%だった。

上位の政党について前回7月の調査と比べると、自民は1・2ポイント増、参政は0・1ポイント増、国民民主は4・6ポイント減、立民は1・6ポイント減だった。国民民主の支持が落ち、参政が浮上した。

年代別にトップ3をみると、18~29歳では国民民主22・1▽参政10・6%▽れいわ6・2%だった。自民は4・1%にとどまった。30代では参政18・9%▽国民民主16・9%▽自民9・6%、40代では参政21・0%▽自民15・9%▽国民民主11・5%だった。

50代以上になると自民が強さをみせ、政党支持率のトップ3は50代で自民21・3%▽参政8.7%▽立民5・9%、60代で自民26・3%▽国民民主7・5%▽参政5・4%、70歳以上で自民38・4%▽立民9・8%▽維新5・4%だった。70歳以上で参政は2・4%だった。

調査は固定電話、携帯電話で実施し、全国の18歳以上の男女1022人から回答を得た。回答者の年齢構成比や男女比、居住地域について、最新の国勢調査の全国データに近似するように抽出し、補正している。

(産経新聞)

This post is also available in: English

コメントを残す